刀 上総介藤原兼重
(かずさのすけふじわらのかねしげ)
Katana:Kazusanosuke Fujiwarano Kaneshige
新刀・武蔵 江戸前期 良業物
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:76.0(二尺五寸一分弱) 反り:1.3 元幅:3.17
先幅:2.08 元重ね:0.68 先重ね:0.54 穴1
鎬造り、鎬庵棟低め、中切っ先やや詰まる。 鍛え、板目に杢目交じりで総体的に流れ心に肌立ち、地沸厚く付き、地景入り、地鉄良好。 刃文、互の目乱れ主体で小互の目、角張った刃を交え、所々互の目が連れて数珠刃風となり、刃縁良く沸付いて匂い深くやや沈み心となり、刃中互の目足、小互の目足良く入り、金筋、砂流し掛かる。 帽子、湾れ込んで焼き深く、先僅かに掃き掛け返る。 茎生ぶ、先急な刃上がりの入山風、鑢化粧大筋違い。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。
【コメント】
上総介兼重は、寛永三年生まれ、辻助右衛門と言い、和泉守兼重の子、又は弟とも伝わる兼重の二代目、活躍期は明暦(一六五五~五八)から延宝(一六七三~八一)頃まで、長曽祢虎徹とほぼ同時代の刀工です。
作風は、互の目の連れた数珠刃風の刃文を得意としていますが、虎徹に先立って、完全なる数珠刃を焼いた作品を残していることから、兼重が虎徹の数珠刃に大きな影響を与えたことは間違いありません。また虎徹同様にその凄まじい斬れ味を持って名を馳せており、山野加右衛門永久、勘十郎久英親子、前島八郎友次ら、当時の試し斬り名人の金象嵌銘をまま見受けます。
受領銘は、初め『上総守』、後に『上総介』に転じたという説、両方を切り分けたという説があり、『上総介藤原兼重』と切る場合が最も多く見られます。年紀作はほとんど見られません。
本作は、寸法二尺五寸一分弱、切っ先やや詰まり気味で、反りやや浅め、典型的な寛文新刀姿を示した長尺刀です。
互の目乱れ主体の刃は、小互の目、角張った刃を交え、所々互の目が連れて数珠刃風となり、刃縁良く沸付いて匂い深くやや沈み心となり、刃中互の目足、小互の目足良く入り、金筋、砂流し掛かるなど、同工の得意とした作風が良く示されています。
地の緩み、鍛え肌も少しありますが、刀は至って健全、凄まじい斬れ味を予感させる上総介兼重です。



