脇差 丹波守吉道(京初代)
(たんばのかみよしみち)
Wakizashi:Tanbanokami Yoshimichi
新刀・山城 江戸初期 良業物
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:43.8(一尺四寸五分弱) 反り:1.3 元幅:3.12 元重ね:0.73 穴2
鎬造り、鎬高く庵棟低め、大切っ先。 鍛え、小板目に板目、杢目を交えて総体的に良く詰み、所々流れて肌立ち、地沸良く付き、地景を交え、地鉄良好。 刃文、焼き幅総体的に広く、湾れ調で互の目を交えてやや箱掛かり、所々内側に大きくくびれるように変化し、刃縁匂い勝ちに小沸付いて明るく冴え、所々湯走りが重なって簾状の刃を形成する。 帽子、直調で先突き上げて焼き詰め風。 茎生ぶ、先剣形、鑢大筋違い。 銅に金着せハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。
【コメント】
丹波守吉道(京初代)は、美濃国大兼道の三男に当たり、文禄年中、父、兄伊賀守金道、和泉守来金道、弟越中守正俊と共に京へ移りました。文禄四年に『丹波守』を受領、以後寛永中頃まで作が残っています。年紀作はほぼ皆無に等しく、元和七年紀の脇差しが一振り現存するのみです。特に初代は、銘字の『丹』の字が、風を受ける帆の如き形状となることから、『帆掛け丹波』と呼称され珍重されます。
作風は、その出自である美濃伝を独自に発展させた沸出来の乱れ刃を本位とし、中でも同工創案の『簾刃』は、三品鍛冶の代名詞ともなっていますが、技巧的で絵画的な簾刃の完成を見るのは後代のことです。
本作は、寸法一尺四寸五分弱、大切っ先、身幅、重ねのしっかりとした勇壮な脇差しで、典型的な慶長新刀スタイルを示しています。
湾れ調で互の目交じりの刃は、所々やや箱掛かり、刃縁明るく冴え、所々湯走りが重なって簾状となっています。
本作のように、完全なる簾刃ではなく、その兆しが垣間見えるのが初代の特徴、 『帆掛け丹波』の書体を明瞭に示した銘字も流麗でピシッと決まっています。
刃もスカッと冴えた佳品です。



