脇差し 武蔵大掾藤原忠廣(初代忠吉晩年銘)
(むさしだいじょうふじわらのただひろ)
二月吉日
Wakizashi:Musashi Daijo Fujiwarano Tadahiro
新刀・肥前 江戸初期
最上作 最上大業物
探山先生鞘書き有り

刃長:38.4(一尺二寸七分弱) 反り:0.9 元幅:3.35 元重ね:0.69 穴1
平造り、庵棟高め。 鍛え、小板目に板目、杢目を交えて良く詰み、地沸微塵に厚く付き、地色やや黒み勝ち、地景繁く入り、地鉄概ね精良。 刃文、互の目乱れを主体に、小互の目、丁子を交え、刃縁荒沸付いて匂い深く明るく冴え、刃中葉、互の目足入り、金筋、砂流し烈しく掛かり、地に飛び焼き風の湯走り掛かる。 帽子、乱れ込んで沸匂い深く付き、先掃き掛け長く返る。 茎生ぶ、先剣形、鑢切り。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。
【コメント】
初代忠吉は、橋本新左衛門と称し、元亀三年生まれ、銘振りは、慶長十九年頃まで『肥前国忠吉』、以降元和末年頃まで『肥前国住人忠吉作』、寛永元年頃からは『武蔵大掾藤原忠廣』と切り、寛永九年八月、六十一歳没。新刀最上作、最上大業物鍛冶としても名高く、人気実力共に一門の最高峰です。
本作には年紀はありませんが、探山先生鞘書きに『年代寛永七、八年頃』とあるように、同工五十九~六十歳の頃、最晩年の集大成とも言える肥前乱れ刃の会心作です。
寸法一尺二寸七分弱、身幅広く、重ねもしっかりとした堂々たる慶長新刀平脇差しで、地刃も健全です。
地沸微塵に厚く付き、うねるような地景が繁く入った美しい肥前小糠肌、互の目乱れを主体とした刃は、刃縁荒沸付いて明るく冴え、刃中金筋、砂流し烈しく掛かり、地に飛び焼き風の湯走りが掛かっています。
堀川国廣、伊賀守金道、越前康継、繁継、南紀重国等々、江戸初期は正宗、貞宗、江、則重、志津、廣光、秋廣等を狙った相州伝写しが主流でしたが、本作も相州伝を強く意識した覇気溢れる出来映えであり、探山先生鞘書きにも、『同工最晩年老熟の技を示す優品也。』とあります。
この雰囲気で二尺四寸もあれば、重要候補筆頭になるでしょう。
登録証も地元佐賀県登録で、金着せ二重ハバキがピシッと付いています。
肥前乱れ刃の出来の良い物をお求めならば、是非お薦めです。

