鍔:蔦文図
無銘秋田正阿弥
Tsuba:Tsutamon Zu
江戸期
保存刀装具鑑定書付き
縦74mm 横69.7mm 厚5mm 重156g
【コメント】
赤銅魚子地撫角形 高彫 象嵌色絵 肉彫色絵土手耳
華やかな秋田正阿弥の鍔です。
秋田正阿弥とは、現在の秋田、南秋田、北秋田、山本、河辺、由利、仙北、平賀、雄勝の八群からなる地域で江戸期に活躍した金工達のことです。
古い時代には秋田城之介が城を構え、蝦夷に備えていましたが、戦国、関ヶ原を経て、慶長五年、佐竹氏が常陸国水戸から転封となり、秋田はその城下町として栄えました。
秋田正阿弥の開祖と伝えられる伝兵衛重吉は、庄内正阿弥の鈴木家の出で、江戸で修業し、秋田に移住し三代目藩主佐竹義処の抱え工となり、二代重高、重常と代々佐竹家の抱え工を務め、秋田正阿弥の名を高め、独特な名品の数々を残しています。
この鍔も滅多に出会うことの出来ない見事な作、無銘ながら初二代かと思われる技量の高さと、元禄文化の豪華絢爛さを感じさせる名品です。
魚子地は繊細で美しく、蔦の葉は、金、銀、素銅で据えられ、葉脈には金の平象嵌が施されています。厚い土手耳には同じく蔦文が高彫金象嵌され、華やかさを増しています。
秋田正阿弥の魅力を堪能していただける逸品です。
専用桐箱入り