刀 延寿宣次
(えんじゅのぶつぐ)
平成九年五月日


Katana:EnjuNobutsugu



現代・熊本




刃長:79.0(二尺六寸三分強) 反り:2.2 元幅:3.18
先幅:2.78 元重ね:0.68 先重ね:0.61 穴1




 薙刀直し風造り、鎬尋常庵棟低め、大切っ先ふくら枯れる。 表裏薙刀樋をハバキ下まで掻き流す。 鍛え、精美な地沸を厚く敷いた小板目肌は良く詰み、地鉄良好。 刃文、明るく華やかな互の目丁字乱れは、刃中ふっくらとした互の目足が長く入り、上品な砂流し、所々太い金筋掛かる。 帽子、乱れ込んで先掃き掛け返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢筋違い。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代研磨(小サビ有り)。 白鞘入り。



【コメント】
 宣次は谷川博充と言い、昭和二十三年生まれ、熊本県八代市の刀匠で、父は無鑑査刀匠、源盛吉こと谷川松吉です。師である父に負けず劣らずの名工で、奨励賞、優秀賞などを複数回受賞、入選は十八を数えます。 父盛吉は、二十五代金剛兵衛盛高靖博の門人であると共に、延寿太郎宣繁の門下でもあったため、両師から『盛』の字と『延寿宣次』の名を賜りましたが、本工は『延寿宣次』銘のみ父から受け継ぎ、二代目を名乗りました。父同様、相州伝を得意とし、中でも清麿写しには、父に勝るとも劣らない作が見られます。残念ながら平成十年、五十歳の若さで亡くなっています。
 本作は平成九年、同工四十九歳の頃の作、正にその真骨頂とも言える清麿写しであり、亡くなる前年の会心作です。
 寸法二尺六寸三分強、長尺で元先身幅の差が少ない雄壮な一振りで、ふくらの枯れた大切っ先は12㎝、この薙刀直し風の独特な造り込みこそ、本歌清麿が得意としたスタイルで、清麿写しの中でも、かなり長大な部類に入る大作です。 
 精美な地沸をビッシリと敷いた強靱な小板目肌は、大変良く詰んで、明るく華やかな互の目丁字乱れは、刃中ふっくらとした互の目足が長く入り、上品な砂流し掛かり、所々太い金筋が貫いています。研ぎは弟の谷川宏司によるもので、人間国宝永山光幹先生の門下に当たる名研ぎ師でしたが、三年程前に亡くなっています。研ぎも素晴らしいため、地刃の冴え、美しさがより際立ち、本歌に迫るものがあります。裏の地に少し荒れた箇所が出ますが、それが気にならないほど、素晴らしい出来で、それ以外は完璧です。立派な金着せ二重ハバキがピシッと付いています。
 今後二度と叶うことのない、延寿宣次、谷川宏司兄弟による合作の清麿写し、父盛吉に比肩する優品、これは貴重な現存作になるでしょう。












【売約済】 商品番号:L-176 刀 延寿宣次

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