刀 (太刀銘)荘司美濃介直胤作

(しょうじみののすけなおたねつくる)
七十八翁 安政二年二月日(一八五五年)


Katana:Shojiminonosuke Naotane



新々刀・武蔵 江戸末期 最上作
特別保存刀剣鑑定書付き
薫山先生並びに探山先生鞘書き有り 『日本刀随感』所載品




刃長:72.0(二尺三寸七分強) 反り:1.6 元幅:3.23
先幅:2.20 元重ね:0.78 先重ね:0.57 穴1




 鎬造り、鎬高め庵棟低い、中切っ先。 鍛え、地沸が微塵に厚く付いた小板目肌は、綺麗に詰んで地色明るく、細美な地景がうねるように肌目に絡み、ほのかに映り心があり、地鉄精良。 刃文、刃区を深く焼き込んだ互の目乱れの刃文は、小互の目、丁字、尖り風の刃、箱掛かった刃を織り交ぜ、所々逆心があり、刃縁に美しい小沸が付き、刃中柔らかで細かな金筋、砂流し掛かり、匂い口明るく冴える。 帽子、小乱れて先小丸に返る。 茎生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢化粧筋違い。 銅に金着せハバキ。 時代最上研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 大慶直胤、最晩年に於ける長船景光写しの傑作、地刃の出来、冴え、健全さは、重要クラスと言っても過言ではない優品、『日本刀随感』所載品です。 
 直胤は安永七年、出羽国山形に生まれ、荘司箕兵衛と言い、『大慶』と号しました。寛政十年頃、同郷の水心子正秀を頼って江戸へ出て、門下に入り、一頃は日本橋浜町秋元家下屋敷内の正秀宅に、身を寄せています。文化十三年頃に独立すると、日本橋堀江町、芝白銀町、下谷御徒町などに住し、師と同じく、秋元家に仕えました。文政四年には『筑前大掾』、嘉永元年には『美濃介』へと転じ、師の提唱した『復古造法論』を最も良く実践し、師に次いで多くの門人を輩出しました。水心子正秀、源清麿と並び、『江戸三作』とも呼ばれ、五ヶ伝全てをこなし、山城の来、大和の保昌、備前の景光、相州の正宗、相伝備前の長義、美濃の志津写しなどの傑作が残されています。安政四年、七十九歳にて没。
 本作は安政二年、その銘振りからも分かるように、同工七十八歳、最晩年の作に当たります。因みに安政二年は、同工七十七歳を迎える年ですが、晩年の頃になると、長寿を保つ意味からか、本作の如く、実年齢よりも一、二歳多く刻むことが多々見られます。本作は、同工が最も得意とした備前伝の傑作、探山先生の鞘書きにもあるように、長船景光に範を取った、鎌倉期の備前太刀写しです。寸法二尺三寸七分強、身幅重ねしっかりして、地刃すこぶる健全、雄壮で美しい刀姿を示しています。地沸が微塵に厚く付いた小板目肌は、綺麗に詰んで地色明るく、細美な地景がうねるように肌目に絡み、ほのかに映り心があり、刃区を深く焼き込んだ互の目乱れの刃文は、小互の目、丁字、尖り風の刃、箱掛かった刃を織り交ぜ、所々逆心があり、刃縁に美しい小沸が付き、刃中柔らかで細かな金筋、砂流し掛かり、匂い口も明るい出来です。身幅重ねがゴリッとした、豪壮な作ではありませんが、地刃の健やかなることこの上なし、地も刃も研ぎも、全てがビシッと整っています。一般的に直胤は、五十代を迎える天保の頃が、最も良いと言われますが、この晩年作だけは見くびってはいけません、すこぶる良い物で、これだけは別格です。登録証は昭和二十六年、『京都五五八番』、色んな意味でこういう作が意外に狙い目、少し楽しみな刀です。
 大慶直胤、これぞ正に集大成と言える景光写しの会心作、『日本刀随感』所載品、 これは強くお薦め致します。


















商品番号:V-1656 刀 (太刀銘)荘司美濃介直胤作 特別保存刀剣鑑定書付き 薫山先生並びに探山先生鞘書き有り

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