刀 水府住勝村徳勝作之
(すいふじゅうかつむらのりかつこれをつくる)
文久二年八月日(一八六二年)


Katana:Suifuju Katsumura Norikatsu



新々刀・常陸 江戸末期
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:74.4(二尺四寸六分弱) 反り:1.6 元幅:3.22
先幅:2.16 元重ね:0.88 先重ね:0.58 穴1




 鎬造り、鎬尋常庵棟低め、中切っ先。 表裏棒樋をハバキ下で丸留める。 鍛え、柾目肌がゆったりと波状に流れる地鉄は、地沸を厚く敷き、細やかな地景を配し、地鉄精良。 刃文、湾れ乱れ調の焼き刃は、刃中小互の目が比較的揃い、足が繁く入り、金筋、砂流しが掛かって、匂い口沈み勝ちに明るい。 帽子、湾れ調で刃中金筋走り、先僅かに掃き掛け返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢切り。 赤銅ハバキ。 時代研磨(小サビ有り)。 白鞘入り。
 



【コメント】
 勝村徳勝は水戸藩士の子として、文化六年に生まれ、市毛徳鄰門人の関内徳宗に学び、後に水戸藩工となります。嘉永五年、水戸烈公こと徳川斉昭の命により江戸に出て、細川正義や運寿是一にも学び、斉昭の向こう槌も務めました。徳勝は実戦本位の刀を鍛えていく中で、その斬れ味を追求した結果、大和伝法の柾目鍛えにその強さを見出し、水戸藩士のために最高水準の実戦刀を提供しました。明治五年、六十四歳にて没。
 尊皇攘夷派の急先鋒である水戸天狗党、『桜田門外の変』で、井伊直弼を暗殺した水戸浪士達の指料等々、激動の幕末史に於いて事あるごとに登場する徳勝刀、これらの史実に加えて、その斬れ味の良さが同工の根強い人気を支えています。
 本作は文久二年、同工五十四歳の頃の作、寸法二尺五寸弱、身幅は特別広いわけではありませんが、重ねがグッと厚いため、手持ちはズシンときます。幕末期の水戸刀にはこういうスタイルが多く見られます。
 美しい柾目肌がゆったりと波状に流れる地鉄は、地沸を厚く敷き、細やかな地景を配した精良な肌合いを示しており、ほのかに白け心があります。湾れ乱れ調の焼き刃は、刃中小互の目が比較的揃い、足が繁く入り、金筋、砂流しが掛かっています。
 前述したように、これが同工の真骨頂である大和保昌鍛え、究極の斬れ味を追求した結果辿り着いた実用刀の最終形とも言える逸品、この匂い口の沈んだ感じは斬れそうです。
 また美術刀剣として見ても、この地刃の働きは味わい深く見応えがあり、茎の銘振り、状態も良好、地刃は現代刀の如く健全です。 
 勝村徳勝が美しさと斬れ味を追求した大和保昌鍛えここに極まる、同工円熟期傑出の一振りです。 








【売約済】商品番号:M-176 刀 水府住勝村徳勝作之 特別保存刀剣鑑定書付き

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