脇差し 備中国呰部住大月又三国重作
(びっちゅうのくにあざえじゅうおおつきまたぞうくにしげつくる)
天正十九年二月日(一五九一年)


Wakizashi:Bicchunokuni Azaeju Ohtsuki Matazou Kunishige



古刀・備中 安土桃山期
保存刀剣鑑定書付き




刃長:53.0(一尺七寸五分) 反り:1.3 元幅:2.90
先幅:1.99 元重ね:0.70 先重ね:0.46 穴1




 鎬造り、鎬高く庵棟低い、中切っ先。 鍛え、板目が詰んで、所々大模様に強く肌立ち、細かな地景、地沸をふんだんに配し、地鉄概ね良好。 刃文、広直刃湾れ調の焼き刃は、匂い勝ちに小沸の付き、匂い口沈み勝ちに締まり気味となる。 帽子、直調で焼き深くほぼ一枚となって深く返り、棟側を少し焼き下げる。 茎生ぶ、先急な刃上り栗尻、鑢切り。 銅に銀鍍金ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 備中水田派は、室町後期に興った一派で、古青江為次の末流とも伝えており、備中国阿賀(あか)郡水田、現在の岡山県真庭市上水田付近を拠点としました。
 戦国末期、毛利、尼子、宇喜多、大内らによる備中国の覇権争奪戦は、大量の刀剣需要を生み出し、同派はその特需に応え大いに活躍しました。
 同派古刀期の鍛冶を『古水田』と呼び、この頃は末備前、末三原風の作風でしたが、江戸初期、大月与五郎国重の登場により、相州伝を強調した沸出来の乱れ刃が主流となりました。同派には長船祐定同様、国重と名乗る刀工が圧倒的に多く、銘鑑によると、幕末明治期まで四~五十余名を数えます。
 本作は大月又三国重の俗名、天正十九年の年紀まで入った古水田鍛冶の貴重な現存作、寸法一尺七寸五分弱、鎬の高いしなやかな造り込みです。
 銘文にある呰部(あざえ)の地は、前述した水田から程近い場所、現在の真庭市下呰部に当たります。
銘鑑などを見ると、天正から慶長頃に掛けて活躍した古水田鍛冶に『呰部住大月又三郎国重』がおり、本作は『郎』が抜けていますが、古刀期に於いては誤字脱字、略称などはよくありますので、おそらくは同人かと思います。
 広直刃湾れ調の焼き刃は、匂い勝ちに小沸の付いた締まった出来で、物打ちから焼きが深くなり、帽子はほぼ一枚となって深く返り、棟側を少し焼いています。古水田の典型的な出来かと思います。
 裏の物打ちから帽子に掛けての刃中に鍛え肌がありますが、この度鑑定が付いたばかりの生ぶ品、この銘振りは貴重、コレクション価値の高い古水田国重です。














商品番号:M-301 脇差し 備中国呰部住大月又三国重作 保存刀剣鑑定書付

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