刀 備前介藤原宗次
(びぜんのすけふじわらのむねつぐ)
明治三年十二月日(一八七〇年)


Katana:Bizennosuke Fujiwarano Munetsugu



新々刀・武蔵 明治最初期
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:71.8(二尺三寸七分) 反り:1.3 元幅:3.31
先幅:2.39 元重ね:0.74 先重ね:0.54 穴1



 鎬造り、鎬尋常庵棟低い、中切っ先。 鍛え、板目肌良く詰み、細かな地景を配して所々肌立ち、地沸厚く付き、地鉄良好。 刃文、互の目丁子乱れを主体として、小互の目、小丁子、尖り風の刃を交え、刃縁荒沸付き、匂い口柔らかく締まり気味となる。 帽子、乱れ込んで焼き深く、先小丸に返る。 茎生ぶ、入山形、鑢切り。 銅に金着せハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 宗次は固山宗兵衛と言い、享和三年(一八〇三年)、陸奥国白河(現福島県白河市)に生まれました。その師に付いては、水心子正秀門下の加藤綱英と言われますが、実際にはその弟で丁子刃を得意とした長運斎綱俊の影響を強く受けていると考えられています。兄に宗平、宗俊がおり、一専斎、精良斎とも号しました。初め白河藩松平家の抱え工として鍛刀し、文政六年(一八二三年)、主家が伊勢桑名藩へ国替えされると、それに伴い桑名藩工となりましたが、大半は江戸麻布永坂、飯倉、四谷左門町にて鍛刀しています。弘化二年(一八四九年)に『備前介』受領、正確な没年は不明ですが、作品は文政後半から明治三年頃まで残っています。
 作風は、一貫して備前伝、綺麗な地鉄に華やかな丁子刃を焼いた『宗次丁子』の美しさは新々刀随一とされます。また大業物作者としても名高く、試し斬り名人、七代目山田浅右衛門吉利、尾張犬山藩士で試斬家でもあった伊賀兎毛(伊賀四郎左衛門乗重)らに指導を受け、斬れ味を追求した作刀を行っています。
 本作は明治三年十二月、同工六十八歳の頃に当たる晩年円熟期の作、明治九年の廃刀令に先立って、平民の帯刀禁止令が出されたのが、明治三年十二月ですので、正にその頃、おそらくは同工の最終年紀に当たるかと思われます。
 寸法二尺三寸七分、身幅、重ねのガシッとした魅力的な一振り、同工の真骨頂とも言える互の目丁子乱れを主体とした焼き刃は、小互の目、小丁子、尖り風の刃を交えて刃縁に荒沸付き、匂い口柔らかく締まり気味となり、鎬地にも断続的に焼きが入るなど、覇気溢れる出来映えを示しています。
 古い登録証は、昭和二十六年の静岡県登録『四八四』号、今年鑑定が付いたばかりの激生ぶ品です。
 寸法充分、地刃健全、宗次丁子を堪能出来る典型作、これ正に固山宗次の集大成とも言える一振り、その動向を窺い知る上でも貴重な資料と成り得る年紀入り、これは見逃せません。
















商品番号:M-674 刀 備前介藤原宗次 特別保存刀剣鑑定書付き

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