刀 (太刀銘)荘司筑前大掾大慶藤直胤(花押)
(しょうじちくぜんだいじょうたいけいふじなおたね)
文政七年仲秋(一八二四)
Katana:Syoji Chikuzendaijo Taikei Fuji Naotane
新々刀・武蔵 江戸末期 最上作 拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:69.0(二尺二寸八分弱) 反り:1.8 元幅:3.11
先幅:1.83 元重ね:0.84 先重ね:0.51 穴1

打ち刀拵え(現代作 全長102.5 柄長24.5 鞘 黒の呂鞘 下げ緒黒 柄 鮫に黒柄巻き 縁頭、鉄地肥後無文 目貫、四分一地容彫、百足図 鍔 鉄研磨地木瓜形、銀線象嵌、据紋象嵌色絵、雲の巣図)付き。

【コメント】
直胤は荘司箕兵衛と言い、安永七年、出羽国山形に生まれ、『大慶』と号しました。寛政十年頃、同郷の水心子正秀を頼って江戸へ出て門下に入り、文化初年頃に独立すると、師と同じく、秋元家に仕え、文政四年には『筑前大掾』を受領、嘉永元年には『美濃介』へと転じました。
師の提唱した『復古造法論』を最も良く実践し、師に次いで多くの門人を輩出、師正秀、源清麿と共に、『江戸三作』とも呼ばれた新々刀期を代表する名匠です。
作は、寛政末年頃から安政三年頃まで残されており、安政四年、七十九歳にて没。
作風は、五ヶ伝全てを巧みにこなし、備前伝、相州伝に傑作が多く残されています。
銘振りは、独立する頃までの最初期は、『大慶直胤』と太鏨の草書風に切り、以降は、『大慶荘司直胤』、『出羽国住人大慶荘司直胤』、『荘司筑前大掾大慶直胤』などと細鏨の楷書風になり、花押が入ります。天保頃からは、『造大慶直胤』、『荘司美濃兵衛藤原直胤』、『荘司美濃介藤直胤』などと太鏨の楷書風になります。
本作は本作は文政七年、同工四十七歳の頃、備前伝乱れ刃の優品です。
寸法二尺二寸八分弱、元先身幅の差があり、元重ねがグッと厚いスタイルで、地刃すこぶる健全、刀にしっかりとした重みがあります。
精良な小板目肌は、細美な地沸をびっしりと敷き詰め、地色明るく、細かな地景繁く入り、互の目乱れを主体に、小互の目、尖り風の刃を交えた明るい刃を焼いています。特にこの地鉄の鍛えは見事です。
新々刀最上作、大慶直胤による備前伝典型作、同工の鉄鍛えに於ける高い技量を窺い知ることが出来る逸品です。






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