刀 藤原永貞(御勝山)
(ふじわらのながさだ)
慶応四年二月日(一八六八)
於江戸青山造之 橘内蔵介試之


Katana:Fujiwarano Nagasada



新々刀・美濃(武蔵) 江戸最末期 拵え付き 
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:69.4(二尺二寸九分) 反り:1.3 元幅:3.14
先幅:2.21 元重ね:0.68 先重ね:0.44 穴:1




鎬造り、鎬高め庵棟尋常、中切っ先。 鍛え、小板目肌良く詰み、所々流れ心に肌立ち、地沸厚く付き、細かな地景繁く入り、地鉄良好。 刃文、直湾れ調で、刃縁沸匂い深く潤むように明るく、二重刃、三重刃風の沸筋頻りに掛かる。 帽子、直調で先掃き掛け小丸風に返る。 茎生ぶ、鑢目化粧筋違い、先栗尻。 銅に金着せハバキ。 白鞘入り。
上時代半太刀拵え(幕末期 全長106 柄長24.5 鞘 焦げ茶石目変り塗り こじり、栗型、鯉口は黒塗り 下げ緒古代紫 柄 親鮫に焦げ茶柄巻き 縁頭、鉄研磨地布目金象嵌、雲に雨龍図 目貫、赤銅地容彫、毛彫、僅かに金象嵌、二頭虎図)付き。



【コメント】
 永貞は松井治一郎と言い、文化六年(一八〇九年)、松井直三郎の子として現在の岐阜県不破郡垂井町表佐(おさ)に生まれました。同工の師伝に付いては、はっきりと分かっていませんが、美濃赤坂千手院、又は美濃金重の末流とも伝わっています。
 銘文にまま見られる『御勝山』とは、生地より北へ向かって程近い場所にある海抜53メートルの丘陵で、正式には岡山と言います。慶長五年(一六〇〇年)、『関ヶ原の合戦』に於いて、東軍の総大将徳川家康の本陣が構えられ場所で、天下分け目の合戦に勝利を得た徳川ゆかりの地を記念して、『御勝山』の名を与えられたと云います。
 同工は美濃以外でも鍛刀しており、万延元年(一八六〇)頃には伊勢国田丸、文久三年(一八六三)頃からは江戸青山、その後紀州徳川家の御用鍛冶として紀伊へ移り、晩年は京都で公卿、勤皇家のために鍛刀しています。明治二年、六十一歳で没。
 作風は、身幅しっかりとした長寸の作がまま多く、沸出来の互の目乱れを得意としており、一見清麿一門を思わせるものがあります。直刃調でほつれ交じり、小足の入るものもあります。
 本作は慶応四年、同工六十歳の頃の作、銘文にあるように、『江戸青山打ち』の貴重な一振りです。
 寸法二尺二寸九分、反りやや浅め、身幅しっかりとした地刃健やかな逸品です。
 小板目肌良く詰み、所々流れ心に肌立つ地鉄は、細かな地景繁く入り、直湾れ調の焼き刃は、刃縁沸匂い深く潤むように明るく、二重刃、三重刃風の沸筋頻りに掛かるなど、地刃共に良く冴えています。
 茎に『橘内蔵介(くらのすけ)試之』と刻まれていますが、内蔵介は、幕末から明治に掛けて活躍した柳剛(リュウコウ)流の剣術家です。
 文政三年(一八二〇)生まれ、伊勢国度会(ワタライ)郡出身で、後に江戸へ出て道場師範代として門人を育成、その門人の数は、武士から農民まで数千を超えたと伝わっています。その活躍は十二代将軍徳川家茂の目に留まり、御前にて剣術を披露、柳剛流の実力が認められ、紀州徳川藩の剣術指南役に抜擢されました。明治十三年、六十一歳没。
 前述のように、永貞の母方の郷里が伊勢国度会郡田丸であったことから、二人は江戸在住時に交流があったものと考えられ、その関係性から試し斬りも行われたのでしょう。
 また同工の『江戸打ち』の場合、通常は『於江戸作之』、『於江府作之』、『於東都作之』などと切るところを、『於江戸青山造之』と切った銘も貴重、幕末期オリジナルの立派な半太刀拵えも付属しています。
 柳剛流達人で紀州藩剣術指南役の剣豪橘内蔵介が認めたその斬れ味、近年では、勝運を招く刀としても非常に人気を博している御勝山永貞の『江戸青山打ち』です。


















商品番号:N-625 刀 藤原永貞(御勝山) 慶応四年二月日(一八六八) 於江戸青山造之 橘内蔵介試之 特別保存刀剣鑑定書付き 拵え付き 

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