短刀 末相州(生ぶ無銘)
Tanto:Mumei
古刀・相模 室町末期
保存刀剣鑑定書付き

刃長:27.9(九寸二分) 反り:僅かに内反り 元幅:2.28 元重ね:0.61 穴2


【コメント】
本作は寸法九寸二分、三つ棟でフクラの枯れた(切っ先付近が鋭角になる)短刀、生ぶ茎無銘ながら、『末相州』の極めが付されています。
精良な小板目肌は地色明るく、地沸微塵に厚く付き、細かな地景が繁く入った地鉄、湾れに互の目を交えた刃文は、刃縁の沸匂い深く、刃中互の目足が入っています。茎のサビ色が少し悪いですが、形状もいわゆるタナゴ腹の相州茎です。
『末相州』とは、定義としては室町期の相州鍛冶を指しますが、現存作はほぼ室町末期であり、代表工には廣正、正廣、綱廣、廣次、総宗、冬廣などがいます。表は腰元樋内に真の倶利伽羅、裏は腰元に草の倶利伽羅の生ぶ彫りがありますが、典型的な相州彫りです。
『末相州』という言葉の響きが、数打ち物のようにも聞こえますが、地刃の鍛え、彫り物も大変良く出来た真面目な相州物です。

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