刀 九州肥後同田貫上野介
(きゅうしゅうひごどうたぬきこうずけのすけ)
慶長十六年八月日(一六一一)


Katana:Kyushu Higo Doutanuki Kouzukenosuke



古刀・肥後 江戸初期
特別保存刀剣鑑定書
『刀剣日本 第二集』掲載品




刃長:68.0(二尺二寸四分強) 反り:1.4 元幅:3.17
先幅:2.32 元重ね:0.84 先重ね:0.57 穴2(内1埋)




鎬造り、鎬高く庵棟低い、中切っ先延びる。 表裏棒樋に添え樋をハバキ下で掻き流す。 鍛え、小板目、板目、流れ肌が総体的に良く詰み、地沸厚く付き、所々上品に肌立ち、白け心あり、地鉄概ね精良。 刃文、直湾れ調で、互の目、丁子、小互の目、小乱れを交え、刃縁良く沸付き、やや沈み勝ちに締まり、刃中葉、小足繁く入り、烈しい金筋、砂流し掛かる。 帽子、湾れ調で烈しくほつれて先掃き掛け焼き詰め風となる。 茎磨り上げ、先切り、鑢切り。 銅に金着せハバキ。 研ぎ上がり。 白鞘入り。



【コメント】
同田貫一派は、肥後熊本の戦国武将加藤清正の抱え工として、安土桃山期から江戸初期に掛けて大いに活躍した鍛冶集団で、肥後延寿派の末裔に当たります。一派は『文禄・慶長の役』と呼ばれた秀吉の朝鮮出兵の際、清正に従って朝鮮に赴き、その地で盛んに鍛刀しました。明軍、朝鮮軍兵士は、同田貫刀の凄まじい斬れ味、破壊力に驚愕したと云います。それ以来、『天下無双の実戦刀』としての地位を不動のものとしています。
代表工としては、正国(上野介)、清国、兵部、又八、左衛門丞、次兵衛、右衛門、国次、正次等々が挙げられ、それらの門弟を含めると五十数名に及ぶと云います。熊本城には戦備として同田貫の刀、薙刀、槍が数百振り保管されていたと云います。
本作は同派筆頭鍛冶、正国による上野介銘の一振り、下が生ぶ穴で一寸程磨り上がっていますが、寸法二尺二寸四分強、切っ先グッと延びて、反りやや浅めに付いた鎬の高い造り込みで、身幅重ねしっかりとした雄壮な慶長新刀スタイルを示しています。年紀作がほとんど見られない中、『慶長十六年八月日』の年紀はこの上なく貴重です。
正国は小山上野介信賀と言い、左馬介とも称しました。初期は国勝と銘じ、後に加藤清正より『正』の字を賜り、正国と改めています。活躍期は天正から慶長頃まで、慶長十八年に没したと云います。正国の刀に絶大なる信頼を置いていた清正公は、その頑強な造り込み、凄まじい斬れ味から、『折れず曲がらず同田貫』、『兜割り正国』などの賛辞を送ったと云います。
銘は『肥州住藤原国勝』、『九州肥後同田貫上野介』、『九州肥後同田貫藤原正国』などと切りますが、大半は上野介銘で年紀作はほとんど見ません。
本作はまま見受ける同田貫らしい野趣に富んだ鍛えとは対極にある上品な地鉄で、刃文は穏やかな刃調ですが、刃沸すこぶる強く、烈しい金筋、砂流しなど、刃中が良く働いており、地刃共に冴えています。
本作と全く同じの銘振り、年紀、地刃の出来、造り込みもほぼ同じような作が重要になっていることからすれば、本作も生ぶであれば重要候補筆頭になるものと確信します。
これは絶対に見逃せない同田貫刀、『刀剣日本 第二集』掲載品です。










【売約済】商品番号:O-703 刀 九州肥後同田貫上野介 慶長十六年八月日(一六一一) 特別保存刀剣鑑定書付き 『刀剣日本 第二集』掲載品

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