刀 (太刀銘)靖徳
(やすのり)
昭和十五年二月吉日(一九四〇)
Katana:Yasunori
現代・東京 靖国刀匠 軍刀拵え入り
保存刀剣鑑定書付き

刃長:67.0(二尺二寸一分) 反り:1.8 元幅:3.03
先幅:1.99 元重ね:0.72 先重ね:0.55 穴1

九八式軍刀拵え(全長97 柄22.5茶糸巻き 総金具、真鍮地銅鍍金桜図 目貫、真鍮地金鍍金三連桜花図 鐔、真鍮地金鍍金立ち葵形桜花図透かし 鞘、鉄地茶褐色 刀緒欠 猿手紐 切羽三枚 柄鞘共に野戦用革覆い)入り。

【コメント】
靖国刀匠とは、昭和八年七月、当時の陸軍大臣荒木貞夫が、日本刀の復活と有事に際した将校用軍刀の需要に応える為に、民間慈善家の資金等を元に組織した刀工集団のことで、日本刀鍛錬会に所属する刀匠達の通称です。その名は、鍛錬所が靖国神社境内に置かれたことに由来しています。主として通常の軍刀の制作や、陸海軍大学校の成績優秀な卒業生に贈られる、御下賜刀などの制作を行いました。
靖憲は小谷憲三と言い、明治四十二年、広島県呉市の生まれで、伯父で同じく靖国刀匠の梶山靖徳門人です。武憲同人で、昭和十年、靖憲と改銘、横山祐義の系統に当たり、備前伝を得意としました。 本作も古作一文字に範を取った美しい丁子乱れを焼いていますが、現状曇り、ヒケ、サビがあり、地の一部朽ち込んで荒れた箇所があります。
外装は、昭和十三年~十八年製の九八式陸軍軍刀拵え、貴重な透かし鐔には『寿』の字をもじった刻印が入っていますので、『ふきや商店製』の外装です。『ふきや商店』は、現在も続く東京浅草にある軍装品専門店の老舗で、当時は民間の軍刀外装製作会社として、陸海軍拵えの製作を承っていました。
柄鞘共に野戦用革覆いとなっており、外装金具類に多少のスレ感はありますが、ストッパーはカッチリ止まります。靖国刀匠小谷靖憲による真面目な陸軍軍刀です。




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