刀 信濃国住宮入昭平造
(しなののくにじゅうみやいりあきひらつくる)
皇紀二千六百年正月吉日(昭和十五)(一九四〇)
Katana:Shinanonokuniju Miyairi Akihira
現代・長野
人間国宝
保存刀剣鑑定書付き

刃長:63.4(二尺九分強) 反り:1.4 元幅:3.24
先幅:2.30 元重ね:0.71 先重ね:0.51 穴1


【コメント】
昭平は宮入堅一と言い、大正二年、長野県埴科(はにしな)郡坂城町(さかきまち)生まれ、昭和十二年、二十四歳で上京し、栗原彦三郎昭秀主宰の日本刀鍛錬伝習所に入門しました。戦後からその頭角を現すと、同二十四年の伊勢神宮式年遷宮御神宝太刀製作を始めとする様々な奉納刀製作に携わり、同三十年、日刀保主催の『第一回作刀技術発表会』では特賞を受賞、以後五回連続で特賞を受賞し、同三十五年に無鑑査、同三十八年には人間国宝となります。同四十八年に『行平』に改め、同五十二年、自宅で倒れ急死、六十四歳没。
昭平の遺志は、同門で弟弟子の天田昭次(人間国宝)を始め、次男の小左衛門行平こと宮入恵(無鑑査)、大隅俊平(人間国宝)、上林恒平(無鑑査)、河内国平(無鑑査)、高橋次平(無鑑査)、大久保和平(無鑑査)等々、数多くの門人達に受け継がれています。
昭平の作風は、師昭秀の備前伝に始まり、山城伝、相州伝を得意としています。また同郷信州から出た天才鍛冶、源清麿を私淑しており、その清麿が範とした志津三郎兼氏を狙った作もままあります。
本作は昭和十五年(一九四〇)、同工二十七歳の頃の最初期作、師譲りの備前伝を基調とした地刃良く冴えた佳品で、大きな疵なく真面目な作です。
これまで本誌に掲載した同工の作では、昭和三十七年(一九六二)が最も古かったのですが、本作は戦前の貴重な現存作、年紀入りで、且つ保存鑑定もピシッと付いています。
人間国宝宮入昭平の貴重な最初期作、コレクション価値の高い見過ごせない一振りです。




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