刀 了戒(無銘)
(りょうかい)
Katana:Ryokai(Mumei)
古刀・山城 鎌倉末期 大業物
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:71.4(二尺三寸六分弱) 反り:2.6 元幅:2.71
先幅:1.79 元重ね:0.60 先重ね:0.43 穴2


【コメント】
鎌倉中期から南北朝期の山城国に於いて、最も隆盛を極めたのが来一派、事実上の祖である国行を始め、国俊、光包、了戒、国光、国次らがその代表工であり、皆技量高く、数多くの名物が残されています。その中にあって了戒は、ただ一人入道銘を名乗る刀工です。正嘉元年(一二五七)生まれ、来国俊十七歳の時の子と云い、十六歳で出家したとも伝えられています。
年紀作に見るその活躍期は、鎌倉末期の正応三年(一二九〇)から延慶二年(一三〇九)頃まで、名古屋市熱田神宮所蔵、子である了久信との合作太刀や、短刀の名物『秋田了戒』を含め、重要文化財五口、重要美術品三口を数える名工です。
作風は、父来国俊に極めて近いものがありますが、小板目の肌合いに柾が交じり、白け風の映りが現れること、直刃調の焼き刃が白く潤み勝ちとなるなどの特徴が見られます。中には地に柾目が強く現れ、刃にほつれや二重刃が繁く掛かるなど、一見大和物に見える作もあります。
本作は大磨り上げ無銘ながら『了戒』と極められた一振り、寸法二尺三寸六分弱、来派らしい深い輪反り姿の優美で気品溢れる鎌倉太刀です。
板目肌総体的に良く詰み、所々流れて肌立つ地鉄は、沸映り立ち、直刃調で僅かに小互の目を交えた焼き刃は、刃縁匂い勝ちに小沸付いてやや沈み勝ちとなり、刃中葉、小足、一部金筋、砂流し掛かるなど、何とも上品で渋い味わいです。経年による総体的な研ぎ減りもありますが、大きな欠点はありません。
また大業物鍛冶としても名高い了戒ですが、かの有名な剣豪宮本武蔵も、その斬れ味に魅了された一人、終生手放さなかった愛刀の一つに、了戒を挙げています。
鎌倉末期の来派の代表工による優美で気品高い一振り、最上の斬れ味を誇る了戒です。




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