短刀 (菊紋)丹波守吉道(京二代)
(たんばのかみよしみち)
和泉守来金道(二代)
(いずみのかみらいきんみち)
(茎棟に所持銘)岡本内蔵丞吉成
Tanto:Tanbanokami Yoshimichi Izuminokami Rai Kinmichi
新刀・山城 江戸前期 両者共に業物
特別保存刀剣鑑定書付き
令和二年度(二〇二〇)『現代刀職展』研磨部門優秀賞受賞作

刃長:29.7(九寸八分) 反り:0.3 元幅:3.04 元重ね:0.86 穴1


【コメント】
本作はその銘振りからも分かるように、京三品鍛冶の代表工、丹波守吉道(京二代)と和泉守来金道による大変稀少な合作短刀、更に茎棟には、岡本内蔵丞(くらのじょう)吉成と所持者銘も刻された注文打ちの入念作です。
京三品鍛冶は、新刀期に於いて堀川一門と並ぶ二大勢力で、流祖関兼道の子である伊賀守金道、来金道、丹波守吉道、越中守正俊は、三品四兄弟と呼ばれ、多くの門弟を輩出しました。
本工の丹波守吉道は、鑑定書にも但し書きがあるように京二代、寛永十六年に丹波守を受領、万治(一六五八~一六六一)頃までその活躍を見ます。
和泉守来金道は、但し書きはありませんが、二代若しくは三代です。
活躍期は、二代が慶安(一六四八~五二)から寛文(一六六一~七三)頃、三代が延宝(一六七三~八一)から貞享(一六八四~八八)頃で、本作が合作であり、二代吉道と同時代とした場合、二代の晩年銘ということになるかと思われます。
本作は寸法九寸八分、身幅しっかりとして重ね分厚く、地刃もすこぶる健全、この頃の短刀は珍しいです。
興味深いのが刃の出来、それぞれが銘のある方の土置きを行っているため、表は簾刃交じり、裏は角互の目交じりとなるなど、得意とする刃を焼いています。
加えて研ぎは、令和二年度(二〇二〇)、『現代刀職展』に於ける研磨部門の優秀賞受賞作です。熊本の名人山下千穂氏の手によるものですが、何とも見事な研ぎです。
銅に金着せ二重ハバキがピシッと付いて、コレクション価値のすこぶる高い逸品、おそらく唯一無二と思われる大珍品です。


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