太刀 (太刀銘)恒(以下切)(古備前恒光)
(こびぜんつねみつ)
Tachi:Kobizen Tsunemitsu
古刀・備前 鎌倉初期
特別保存刀剣鑑定書付き
刃長：70.9(二尺三寸四分弱) 反り：2.4 元幅：3.17
先幅：1.78 元重ね：0.52 先重ね：0.33 穴2
【コメント】
古備前とは、平安末期から鎌倉中期頃まで、備前の地で活躍した刀工及びその作刀の総称で、友成、正恒を始め、信房、助包、恒光、真恒、吉包、利恒、『備前三平』と呼ばれる高平、包平、助平などがその代表工です。
本作は、下が生ぶ穴で四寸程磨り上がっており、銘が『恒』で切れていますが、鑑定書にも但し書きがあるように、古備前恒光の希少な在銘太刀、茎尻には、古拙ながら大振りで味わい深い銘が残されています。
恒光は、前述のように古備前正恒一派の代表格で、正恒の子とも伝わる名工、在銘品は僅少です。
本作は、寸法二尺三寸四分弱、腰反り付いて踏ん張りがあり、小峰に結んだ造り込みは、平安末期～鎌倉初期の太刀姿を留めた、何とも優美な一振りです。
小板目詰み、所々肌立ちを見せる綺麗な地鉄は、断続的な地斑状の映り立ち、小互の目、小丁子、小湾れ、小乱れ交じりの刃は、刃縁やや潤み勝ちとなり、細かな飛び焼き、二重刃風の沸筋掛かる出来で、きめ細かく明るい鉄質の良さは見所です。
所々刃が弱い箇所、地に鍛え肌等も見られますが、鎌倉初期を下らない古備前恒光の希少な在銘品、多少のことは致し方ありません。佩裏中程の棟から樋中に掛けて、ズバッと誉れの刀疵が鮮明に残されています。
古い登録証は、昭和二十六年の東京登録、銅に金着せ二重ハバキは新品同様、中々味わい深い古備前恒光です。
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