刀 肥前国住近江大掾藤原忠廣
(ひぜんのくにじゅうおうみだいじょうふじわらのただひろ)
Katana:Hizennokuniju Oumidaijo Fujiwarano Tadahiro
新刀・肥前 江戸前期 拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き
刃長:70.6(二尺三寸三分) 反り:1.6 元幅:3.26
先幅:2.31 元重ね:0.72 先重ね:0.52 穴1
打ち刀拵(近代作 全長101 柄長23 元鞘 赤茶の呂塗 こじり、栗型 しとどめ有 鯉口は黒塗 下げ緒、薄茶と深緑 替鞘 黒の呂塗
柄 親鮫に焦げ茶柄巻 縁頭、赤銅魚子地高彫色絵、秋草図 目貫、赤銅容彫色絵、梅花図 鍔 鉄地丸形地透、桐花図)付き。※尚、拵え鞘の鯉口部分破損のため、鞘を別の物に替えました。そのため、元のつなぎを入れた際に、鯉口部分が完全に収まりません。
【コメント】
忠廣は、初代忠吉の嫡子として慶長十九年に生まれ、寛永九年八月、父の死に伴って、十九歳で二代目を継承、寛永十八年七月に『近江大掾』を受領しました。
作刀期間は、寛永から元禄まで六十余年、元禄六年、八十一歳没。
作風は、父同様、小板目詰んだ小糠肌に、伝統の肥前直刃をその真骨頂とし、互の目を主体に湾れ、丁子の交じる出来、足長丁子風の作もあります。
銘振りは、初期は『肥前国住藤原忠廣』、受領後は『肥前国住近江大掾藤原忠廣』、『近江大掾藤原忠廣』が大半で、年紀作は僅少です。
本作は寸法二尺三寸三分、切っ先僅かに延び心、元先身幅しっかりとした勇壮なスタイル、年紀はありませんが、銘振り、茎仕立て等からして、慶安(一六四八~五二)初年頃、同工三十代半ば頃の作と鑑せられます。
地景繁く入り、やや沈み勝ちに詰んだ小糠肌、刃縁の細やかな変化、刃中太く帯状に連なった匂いの層は、肥前直刃の大きな見所です。
大きな疵なく、地刃健全、同工壮年期の真面目な典型作です。