刀 備前国住長船祐定作
(びぜんのくにじゅうおさふねすけさださく)
天文六年八月吉日(一五三七)
Katana:Bizennokuniju Osafune Sukesada
古刀・備前 室町末期 拵え付き
保存刀剣鑑定書及び藤代松雄鑑定書付き
刃長:67.5(二尺二寸三分弱) 反り:2.4 元幅:3.21
先幅:2.25 元重ね:0.76 先重ね:0.57 穴2
打ち刀拵え(幕末期 全長100.5 柄長25 鞘 黒の艶消し杢目模様鞘 黒下げ緒 柄 黒塗鮫に黒柄巻 縁頭、赤銅石目地無文 目貫、赤銅容彫 鍔 鉄槌目地あおり形毛彫、小透、瓜の図)付き。
【コメント】
戦国時代に数多輩出された末備前鍛冶の中では、祐定を名乗る刀工が特に多く、与三左衛門尉祐定を筆頭に、彦兵衛尉、源兵衛尉等々、古刀期だけで八十余名を数えます。
本作は、天文六年(一五三七)作、戦国時代末期の末備前祐定、にわかには個銘まで極め難いですが、年紀からして与三左衛門尉と同時代、他にも与左衛門、次郎四郎、次郎九郎、八郎次郎、神三郎等々がいますので、その辺りでしょう。
寸法二尺二寸三分弱、身幅重ねしっかりとした造り込み、大きな疵なく、地刃も総体的に健やかです。
直刃調の焼き刃は、刃中葉、小足繁く入り、所々ムラ沸付き、金筋、砂流し掛かるなど、働きが多彩で味のある出来映え、地鉄も良いです。
幕末期の外装も付属した真面目な天文祐定です。