薙刀直し脇差し 大宮(無銘)
(おおみや)
(金象嵌截断銘)指柄 片手討胴落 山野勘十郎(花押)
Wakizashi:Ohmiya(Mumei)
古刀・備前 南北朝中期
特別保存刀剣鑑定書付き
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刃長:50.0(一尺六寸五分) 反り:1.2 元幅:2.90
先幅:2.84 元重ね:0.74 先重ね:0.70 穴2
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【コメント】
本作は、南北朝期の勇壮な薙刀直し脇差し、大磨り上げ無銘ながら『大宮』と極められた地刃健全な一振りです。
備前大宮派は、古伝によると、山城国大宮より移住して国盛を祖とする一派で、盛景、盛継などがその代表工とされます。
中でも盛景が特に有名で、近年の研究では長船近景、義景の系統とも云われており、兼光や長義らと同様に相伝備前鍛冶に区分される刀工です。
寸法一尺六寸五分弱、身幅、重ねしっかりとして、ズシッとした重量感があり、地斑風の乱れ映り立つ地鉄に、互の目乱れを主体とした刃文は、刃中僅かに金筋、砂流しが掛かっています。
美しく整えられた天正磨り上げ茎には、『指柄 片手討胴落』と山野勘十郎久英による金象嵌截断銘が入っています。久英は、江戸前期に活躍した試し斬り名人、山野加右衛門永久の子で、父に代わって寛文五年頃からこれを受け継ぎ、以降貞享(一六八四~八八)頃まで金象嵌銘が残されています。 『指柄』とありますが、これは、短刀、脇差し等の試し斬りを行う場合、刀と同じ条件になるように寸法を調整するのが慣例で、この際に用いられるのが、『切り柄(きりえ)』と呼ばれる試し斬り用の特別な長い柄、『指柄』とはそのことです。これに刀身を指し込み、鉄の目釘、鉄の輪をはめ、更に指し込み部分に楔(くさび)を入れるなどして固定、補強した上で試し斬りを行いました。
地に少し鍛え肌もありますが、刀身は健全、これで茎が生ぶ、若しくは磨り上げでも刀で二尺四寸もあれば、重要刀剣候補筆頭になるでしょう。研ぎがやや古く、特に帽子は、仕上げ研ぎでかなり見栄えが良くなるでしょう。
片手討ちにて胴を斬り落とす凄まじい斬れ味、名人山野勘十郎久英が認めたこの一振り、登録証も鑑定書もまだ最近の物ですので、大変生ぶい逸品です。
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