太刀 (太刀銘)備前国吉井住景則
(びぜんのくによしいじゅうかげのり)
永徳二二年八月日(一三八四年)
Tachi:Bizennokuni Yoshiiju Kagenori
古刀・備前 南北朝末期 拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き
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刃長:63.2(二尺九分弱) 反り:1.8 元幅:3.09
先幅:2.12 元重ね:0.61 先重ね:0.40 穴2
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糸巻き太刀拵え(近代作 全長106 鞘 茶に卵の殻張り、所々に螺鈿張り 金具類銀に黒塗り所々剥げあり 茶に卯の花太刀緒 柄 鮫に茶の平柄巻き 金具類銀に黒塗り剥げあり、目貫、銀地鼠の図)付き。
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【コメント】
備前国吉井派は、鎌倉末期の為則を祖として始まると伝えられていますが、その頃の現存作はほとんど見られません。同派作で南北朝期を下らぬものを『古吉井』、室町期のものを『吉井』と区分しています。
一門には景則、真則、氏則、吉則、光則、盛則、清則、永則、兼則らがおり、室町期に入ると、この中から清則、永則、吉則らが出雲へ移住して、雲州道永派を興しています。
作風としては、刃中小互の目が規則的に連れる刃文、その刃文の影のように現れる備前映りなどが挙げられますが、時代の上がる古吉井の作は、地刃の沸が強く、刃中金筋、砂流しが良く働きます。基本地刃の沸が強い場合、映りは目立ちません。
本作は、永徳四年作、希少な吉井景則の生ぶ在銘太刀、寸法二尺九分弱、元先身幅はしっかりとしています。
景則は、同派中名跡が最も長く続いた刀工で、一説によると、吉井派の嫡流とも云われています。 小振りで特徴的な書体の銘字が、すこぶる鮮明に残されていることは、同工及び同派を研究する上で大変貴重な資料となるでしょう。
杢目に板目交じり、所々大模様に肌立つ地鉄は、ほのかに映り立ち、小互の目が連れて小乱れ交じりの焼き刃は、刃沸強く、刃中金筋、砂流しが烈しく掛かるなど、前述したような古吉井らしさが良く示されています。
一部研ぎ減り、鍛え肌等も少し見られますが、同派代表工である吉井景則の生ぶ在銘年紀入り太刀は貴重です。
近代作ながら、鞘に茶の卵殻を散らした糸巻き太刀拵えが付属しています。
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