脇差し 肥前国住人藤原忠吉(土佐守忠吉)
(ひぜんのくにじゅうにんふじわらのただよし)
Wakizashi:Hizennokunijunin Fujiwarano Tadayoshi
新刀・肥前 江戸初期
保存刀剣鑑定書付き
探山先生鞘書き有り

刃長:33.9(一尺一寸二分弱) 反り:0.6 元幅:3.25 元重ね:0.58 穴1


【コメント】
土佐守忠吉は、初代忠吉の門人で、実弟とも娘婿とも云われています。初代が寛永元年に武蔵大掾を受領し、忠廣へ改めた際に、忠吉銘を譲られていることから、余程近しい信頼の於ける人物であったことは、想像に難くありません。土佐守は晩年に受領したとも云います。
活躍期は、慶長から寛永までとしていますが、刀匠人生の大半を初代の協力者として費やしたためか、寛永以前で自身作と鑑せられるものは皆無です。寛永以降になると、ようやく自身作が見られるようになるため、自身銘の作は大変希少です。
銘振りは、『肥前国住人忠吉作』、『肥前国住人藤原忠吉』、『肥前国住人藤原源忠吉』、『肥前国藤原忠吉』、『肥前国住人土佐守藤原忠吉』などがありますが、年紀作はまず見ません。『寛永五年二月』、『寛永五年八月』年紀の作が僅かに残されているのみで、共に『肥前国住人忠吉作』銘です。
本作は、寸法一尺一寸二分弱、幅広で豪壮な平脇差し、互の目乱れを主体とした刃は、刃中金筋、砂流しが頻りに掛かっています。
土佐守のこういった出来は、志津風の相州伝に狙いがあったようです。
所々地荒れの目立つ点が残念ですが、焼き刃は魅力的、謎多き刀匠、土佐守忠吉の乱れ刃典型作です。



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