刀(父子合作刀) 水心子正秀淬刃(刻印)
(すいしんしまさひで)
水寒子鍛之(貞秀)(二代正秀初期銘)
文化十三年二月日(一八一六)


Katana:Suishinshi Masahide



新々刀・武蔵 江戸後期 最上作
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:73.3(二尺四寸二分弱) 反り:1.7 元幅:3.27
先幅:2.17 元重ね:0.74 先重ね:0.55 穴2(内1忍)




鎬造り、鎬尋常庵棟低め、中切っ先やや鋭角に延び心。 表裏共に棒樋をハバキ上で丸留める。 鍛え、小板目やや沈み勝ちに詰み、所々肌立ち、地色やや黒み勝ち、地沸良く付き、地鉄良好。 刃文、角張った互の目、小互の目、小丁子が密に詰まって総体的に逆掛かり、刃縁匂い勝ちに小沸付いて締まり、刃中小足、小互の目足良く入る。 帽子、小乱れて先大丸風に返る。 茎生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢化粧大筋違い。 銅に銀着せハバキ。 時代研磨(小サビ有り)。 白鞘入り。



【コメント】
正秀は、川部儀八郎と言い、寛延三年生まれ、出羽国山形の出身で、初め宅英、後に英国、安永三年には、山形藩主秋元家に抱えられて正秀と改銘し、『水心子』と号しました。文政二年、二代白熊入道に名跡を譲り天秀と改銘、文政八年九月二十七日、七十六歳で没。
作は、安永初め頃から文政頃まで、作風は、初期は、大坂新刀風の華やかな作が多く、文化以降は、自らが『刀はすべからく鎌倉期へ回帰せよ。』と提唱した『復古造法論』の実践から、実用を本位とした穏やかな直調の作風へと移行して行きました。
貞秀は、初代正秀の嫡子で熊次郎と称し、安永八年生まれ、初め正廣、後に貞秀と改銘し、『水寒子』と号しました。文政二年、父より二代正秀を継承、父が天秀へ改銘すると、自ら入道して白熊入道と銘じました。父の死後、一ヶ月足らずの同年十月二十日、四十七歳で早世。
銘は、『川部貞秀』、『水寒子貞秀』、『水心子貞秀』、『水寒子白熊入道正秀』、『水心子白熊入道正秀』などと切ります。
本作は、その銘文からも分かるように、水心子正秀初二代合作刀、初代六十七歳、二代三十八歳の頃に当たります。
茎表に『水心子正秀淬刃』とありますが、『淬(サイ)、淬(にら)ぐ』は、『焠』とも表記し、刀に焼き入れするの意。故に、下地、鍛錬は二代、焼き入れは初代が行ったことが分かります。
寸法二尺四寸二分弱、切っ先やや鋭角に延び心となった勇壮なスタイル、角張った互の目が密に詰まって総体的に逆掛かる出来は、自らの『復古造法論』を実践した一振りで、中でも、この特徴的なノコギリ状の刃は、『長船景光』写しの典型作です。
刃中に足を多数入れることで、斬れ味、耐久性を強化、実用を重視した出来になっています。大きな疵なく、地刃健全、銘も表裏に各々で切っています。
前述したように、二代は父の没後、一ヶ月足らずで急逝、また生前は、父の協力者としての役割も多く、自身銘の作は僅少です。
本作は、その両名による渾身の合作刀です。
















商品番号:P-909 刀(父子合作刀) 水心子正秀淬刃(刻印) 水寒子鍛之(貞秀)(二代正秀初期銘) 文化十三年二月日(一八一六) 特別保存刀剣鑑定書付き

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