刀 伯耆守平朝臣正幸
(ほうきのかみたいらのあそんまさゆき)
寛政十一年未八月(一七九九)
Katana:Hokinokami Tairano Ason Masayuki
新々刀・薩摩 江戸後期
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:72.1(二尺三寸八分弱) 反り:1.8 元幅:3.22
先幅:2.28 元重ね:0.69 先重ね:0.53 穴1
【コメント】
正幸は、享保十八年、二代伊地知正良の子として生まれ、父の跡を継いで三代正良を襲名、寛政元年に伯耆守を受領した際に、正良銘を嫡子へ譲り、正幸と改めました。
年紀作に見る活躍期は、明和初年(一七六四~七二)から文化末年(一八〇四~一八)頃まで、文政元年に八十六歳で没。奥元平と共に新々刀薩摩鍛冶の双璧を成す名工です。
同工の作は、切っ先延び心で、身幅重ねのガシッとした頑丈な造り込みのものが多く、刃文は、湾れに互の目、尖り風の刃を交えて、匂い深く、荒沸付き、金筋、砂流し掛かるなど、美濃相州伝とも言うべき、志津風の作風を得意としています。
銘は『薩州住正良』、『薩摩官工平正良』、『伯耆守平朝臣正幸』などと切ります。
本作は、寛政十一年(一七九九)、同工六十七歳の頃の作、 寸法二尺三寸八分弱、元先身幅しっかりとした雄壮なスタイルで、地刃もすこぶる健全です。
地沸を微塵に厚く敷いた地鉄は、薩摩刀特有の黒い地景風の変わり鉄を交え、所々うねるように大模様となり、互の目乱れ主体の刃文は、刃縁荒沸付いて匂い一際深く明るく冴え、刃中互の目足入り、金筋、砂流しが掛かるなど、銘を見ずとも薩摩新々刀と分かる出来です。
新々刀期に於ける、薩摩刀の魅力が存分に示された伯耆守正幸の会心作です。





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