刀 陸奥守忠吉(無銘)
(むつのかみただよし)


Katana:Mutsunokami Tadayoshi(Mumei)



新刀・肥前 江戸前期 最上大業物
保存刀剣鑑定書付き




刃長:64.2(二尺一寸二分弱) 反り:1.7 元幅:3.03
先幅:2.24 元重ね:0.62 先重ね:0.43 穴3




鎬造り、鎬庵棟低め、中切っ先やや鋭角に延び心。 鍛え、小板目に小杢目交じりで良く詰み、地沸厚く付き、細かな地景繁く入り、地に細かな飛び焼き掛かり、地鉄精良。 刃文、互の目丁子乱れを主体に、小互の目、小丁子、小乱れを交え、刃縁荒沸付いて匂い深く明るく冴え、刃中丁子足良く入り、金筋、砂流し掛かる。 帽子、湾れ込んで沸付き、先掃き掛け返る。 茎大磨り上げ、先浅い栗尻、鑢勝手下がり。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
本作は、大磨り上げ無銘ながら、『陸奥守忠吉』と極められた優品、肥前忠吉三代目にして最上大業物鍛冶、華やかで烈しい肥前丁子を破綻なく焼いた会心作です。
陸奥守忠吉は、橋本新三郎と称し、近江大掾忠廣の嫡男として、寛永十四年に生まれました。初代忠吉の後、忠吉銘を名乗っていた土佐守忠吉が没すると、忠吉銘が本家に返上されたため、父忠廣に代わって三代忠吉を襲名、万治三年十月に『陸奥大掾』、寛文元年八月に『陸奥守』を受領しましたが、父に先立つこと七年、貞享三年に五十歳で没しています。
初代同様、最上大業物にその名を連ねる三代の自身作が少ないのは、比較的短命であったこと、長寿であった父の協力者として数多く鍛刀したことなどに起因していると考えられています。
本作は、切っ先やや鋭角に延び心となった勇壮なスタイルです。
小板目に小杢目交じりで良く詰んだ美しい肥前地鉄、互の目丁子乱れ主体の刃は、刃縁荒沸付いて匂い深く明るく冴え、刃中丁子足良く入り、金筋、砂流し掛かり、地に細かな飛び焼き交じるなど、総じて焼きが高く華やか、且つ研ぎも素晴らしいため、地刃の美点が余すことなく存分に示されています。
これまで三代の乱れ刃は何振りか見ましたが、これ程出入りが目立って変化のある焼き刃は中々見ません。
これで生ぶ在銘なら、重要刀剣候補筆頭になるでしょう。
最上大業物、陸奥守忠吉の典型乱れ刃、凄まじい斬れ味を誇る最強の三代陸奥です。














商品番号:Q-045 刀 陸奥守忠吉(無銘) 保存刀剣鑑定書付き

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