短刀(名物大青江写し) 法廣作之(宮入法廣)
(のりひろこれをつくる)
辛未歳香魚季(平成三年)(一九九一)
Tanto:Norihiro
現代・長野
無鑑査刀匠

刃長:30.1(九寸九分強) 反り:0.8 元幅:2.93 元重ね:0.60 穴1
【コメント】
宮入法廣は、刀匠宮入清宗の長男、昭和三十一年(一九五六)に長野県坂城町で生まれました。父清宗の弟、法廣の叔父に当たるのが、人間国宝宮入昭平です。
大学卒業後、石川県の人間国宝隅谷正峯氏に師事し、昭和五十八年に独立、同年の『新作名刀展』初出品後は、特別賞八回、優秀賞四回受賞、平成七年まで、坂城町で、父清宗と共に作刀に専念、同年十二月には、三十九歳(当時最年少)で無鑑査認定。翌年には、同県東御(とうみ)市八重原に、鍛刀道場を構えました。
同二十二年には、新作名刀展において正宗賞を受賞、翌年に長野県無形文化財認定。
父や叔父は、相州伝を得意としていましたが、法廣が師事した正峯は、備前伝の大家、『隅谷丁子』と呼ばれる独自の美しい丁子刃を学びました。
本作は、平成三年、同工三十五歳の頃の作、『香魚季』とは、香魚(こうぎょ=鮎の別称)の季節の意と思われます。鮎は夏の季語。
逆丁子交じりの華やかな出来は、寸法、出来、帽子、樋の入れ方などからして、同じ丁子刃でも備前ではなく、青江の逆丁子写し、本歌は、青江次直作、加賀前田家伝来の短刀で、『大青江』と呼ばれた名物です。
地沸微塵に厚く付き、細かな地景繁く入った精良な地鉄、逆心となった互の目丁子乱れは、刃縁やや沈み心に締まり、帽子も乱れ込んで、先尖り風に深く返るなど、細部に渡って本歌を忠実に再現した佳品です。
宮入一門の出自ながら、他流派に弟子入りすることで、流派に縛られない作風を切り拓いた名工の自信作です。

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