脇差し 無銘(伝長船兼光)
(でんおさふねかねみつ)
Mumei(Den Osafune Kanemitsu)
古刀・備前 南北朝中期 最上作 最上大業物
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:46.0(一尺五寸二分弱) 反り:1.0 元幅:2.88
先幅:2.41 元重ね:0.54 先重ね:0.43 穴2
【コメント】
本作は、大磨り上げ無銘ながら、『伝長船兼光』と極められた佳品です。
兼光は、景光の嫡男で、長船正系四代目として、備前伝の伝統を継承しつつ、『正宗十哲』にもその名が挙がるように、相伝備前鍛冶の祖として、長船長義と双璧を成す名工です。
重要文化財十二口、重要美術品十六口を数え、そうそうたる長船鍛冶の中にあって、名実共に最高峰鍛冶です。
年紀作に見る作刀期間は、鎌倉末期の元亨(一三二一~二四)から南北朝中期の貞治(一三六二~六八)頃まで、その中でも延文(一三五六~六一)年間に傑作が多いため、『延文兼光』と呼称されます。
その作風は、鎌倉末期から南北朝前期までは、太刀、短刀共に姿尋常で、刃文は直刃調に互の目、角互の目、片落ち互の目を主体に焼き、総体的に刃が逆掛かるなど、父景光の技を踏襲した出来が多く見られます。それ以降は、太刀、短刀共に姿も大柄となり、それまで見られなかった湾れ主調の刃文も見られるようになります。
本作は、大切っ先で反りやや浅め、元先身幅の差がほとんどない勇壮な姿は、いわゆる『延文貞治型』呼ばれる、南北朝中期の典型的なスタイルを示しています。
乱れ映りに地斑状の映り立つ備前鍛え、互の目丁子乱れに角張った刃を交えた刃は、刃中一部金筋、砂流し掛かるなど、地に少し鍛え肌も少しありますが、出来、スタイル、雰囲気等々、如何にも『延文兼光』という特色が随所に見られます。
最上作にして最上大業物、『延文兼光』の典型作、南北朝盛期の備前物をお探しならばお薦めです。



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