刀 長船師光(無銘)
(おさふねもろみつ)
Katana:Osafune Moromitsu(Mumei)
古刀・備前 南北朝末期~室町初期
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:68.0(二尺二寸五分弱) 反り:2.0 元幅:2.87
先幅:1.81 元重ね:0.73 先重ね:0.42 穴2
【コメント】
本作は、大磨り上げ無銘ながら、『長船師光』と極められた佳品です。
師光は、兼光門下で弟とも伝わる倫光の子で、盛光の父と云われる刀匠であり、年紀作に見る活躍期は、永和二年(一三七六)から応永十三年(一四〇六)まで、また師光、盛光には、同銘が室町後期に掛けて数代に渡り、応永中頃に、それぞれ初二代の代替わりがあったとされます。特に応永期に活躍した師光、盛光、康光を世上『応永の三光』と呼称し、備前鍛冶中興の祖として賞賛されています。更に南北朝末期から室町初期は、太刀から打刀への移行、鎬造りの脇差しの登場、これまで寸延び程度であった平造り小脇差しも寸が一段と長くなるなど、刀剣スタイルが大きく変わった時期で、備前鍛冶にとっても大きな変換期に当たります。師光はそんな過渡期の刀匠で、その実力もズバ抜けています。
本作は、寸法二尺二寸五分弱、下が生ぶ穴として、五寸程磨り上がっており、元来二尺八寸近い太刀であったことが分かります。元先身幅に差があり、反り深く、重ねの厚い造り込みは、南北朝末期から室町初期、豪壮な太刀から、しなやかな太刀へと移行する、過渡期の典型的な姿を示しています。
板目に杢目交じりの精良な地鉄は、地景を織り成し、乱れと直調映りの二種が見受けられ、小互の目、小丁子、小乱れを主体にした焼き刃は、刃縁細やかな金筋、砂流しが掛かっています。焼き頭が匂いで尖って、刃先から地に抜ける感じは、応永備前の典型とも言える働きを見せています。
盛光や康光に比べ、乱れが総体的に小模様となるのが師光の特徴、地刃共に健全で、刃も元から先までしっかりと残っています。
出来、状態が良くなければ、特別保存で個銘まで入りません。これで生ぶ在銘なら、即重要候補となるでしょう。
美しい地刃の出来、良質な備前刀をお求めならばお薦めです。




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