脇差し 岩戸一文字(無銘)
(いわといちもんじ)
Wakizashi:Iwato Ichimonji(Mumei)
古刀・備前 鎌倉末期 拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:52.1(一尺七寸二分) 反り:1.0 元幅:2.55
先幅:1.93 元重ね:0.53 先重ね:0.48 穴5
脇差拵え(全長73 江戸期 鞘 黒の呂鞘 こじり、赤銅研磨地据紋金象嵌、藤の図 小柄、赤銅高彫金色絵、船上武者図 笄、赤銅魚子地高彫色絵、花瓶に花束図 下げ緒、焦げ茶 柄 親鮫に黒柄巻き 縁頭、赤銅魚子地高彫色絵、秋草に狐の図 目貫、金象嵌龍図 鍔 赤みがかった赤銅研磨地丸形、無文)付き。
【コメント】
鎌倉期に於ける備前鍛冶の大きな流れは、一文字派と長船派の二大流派であり、一文字派は、福岡、吉岡、片山、岩戸などの地に栄え、多くの名工を輩出しました。中でも鎌倉末期以降に、備前国岩戸庄、現岡山県和気郡和気町岩戸付近にて鍛刀した一派を岩戸一文字と呼称します。地名からして備前和気鍛冶との関連性も窺えます。
銘鑑等によると、その祖を吉氏としていますが、在銘正真作は皆無、現存作としては、吉家に、『一備州岩戸庄地頭左衛門尉源吉家』銘で、元徳(一三二九~三一)年紀入りの作が残されていることによって、一派の大凡の活躍期が窺えます。
本作は、大磨り上げ無銘ながら、『岩戸一文字』の極めが付された一振り、寸法一尺七寸二分弱、しなやかで上品なスタイルです。
乱れ映り、地斑状の映り立つ地鉄、丁子、小丁子、小互の目、小乱れを交えた刃は、刃縁匂い勝ちに締まり、所々潤み心となり、刃中丁子足、小足、葉良く入っています。
地に細かな鍛え肌、時代相応の研ぎ減りもありますが、細やかな変化のある刃文や刃境の景色、鮮明な映りなど、鎌倉末葉に於ける、備前一文字の美点が随所に示された一振りです。





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