刀 (菊紋)法城寺越前守橘正照
(ほうじょうじえちぜんのかみたちばなのまさてる)
元禄五年二月吉日(一六九二)
Katana:Hojoji Echizennokami Tachibanano Masateru
新刀・武蔵 江戸前期
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:71.6(二尺三寸六分強) 反り:1.9 元幅:3.18
先幅:2.24 元重ね:0.73 先重ね:0.47 穴2
【コメント】
法城寺一派は、正弘を棟梁とする江戸の業物一派、正弘は通説では本国但馬、『貞宗三哲』に数えられる法城寺国光の末裔で、その二十二代孫と伝わります。門下には、二代正弘、正照、貞国、吉次、正則、国光、国正などがおり、作風は一派皆、直刃調に互の目が連れて交じる出来を得意とし、中には長曽祢虎徹を思わせるような数珠刃風の作もあります。虎徹、大和守安定らと同様、金象嵌截断銘もまま見受けられます。
本作は、正弘の一番弟子、法城寺越前守橘正照の佳品、寸法二尺三寸六分強、反りやや深め、力感溢れる勇壮な一振りで、貴重な元禄五年(一六九二)年紀入りです。
正照は、本国但馬、正弘と同族で江戸赤坂に住しました。後に上京して二代伊賀守金道に学び、越前守受領、茎に菊紋を切る許可を得ました。活躍期は、天和~元禄(一六八一~一七〇三)頃、後に佐竹家の御用鍛冶を勤め、出羽秋田でも鍛刀しています。同派では、特に斬れ味鋭いことでも有名、截断銘の入っている刀もまま見受けられます。
小板目に小杢目交じりの地鉄は、所々大模様に良く練られ、地沸微塵厚く付き、細かな地景繁く入り、互の目乱れ主体で湾れ交じりの刃は、刃縁明るく冴え、二重刃風の沸筋掛かり、刃中互の目足、小互の目足、葉良く入り、金筋、砂流し掛かるなど、地刃の出来は如何にも法城寺一派の典型です。
茎が少し荒れていますが、大きな疵なく、年紀入り、法城寺越前守橘正照の斬れ味鋭い真面目な一振りです。


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