脇差し 多々良長幸(無銘)
(たたらながゆき)
Wakizashi:Tatara Nagayuki
新刀・摂津 江戸前期 最上大業物
保存刀剣鑑定書付き

刃長:46.8(一尺五寸四分強) 反り:1.2 元幅:2.49
先幅:1.91 元重ね:0.55 先重ね:0.46 穴1
【コメント】
本作は、大磨り上げ無銘ながら『多々良長幸』と極められた優品、しなやかで上品なスタイル、茎表に額銘の痕跡があります。
長幸は、本国を紀州と云い、後に紀州より大坂へ移住し、大坂石堂鍛冶河内守康永の門人となりました。年紀作は稀有ですが、天和(一六八一~八四)、貞享(一六八四~八八)年紀の作が僅かに残されていることから、その活躍期を窺い知ることが出来ます。
作風は、一文字写しの丁子乱れ、末備前写しの複式互の目乱れの二つに大別されます。乱れ映り立つ華やかな丁子刃は、本歌さながらであり、大坂石堂鍛冶の代表工のみならず、新刀期に於ける丁子刃の第一人者と評される名工です。
また一般的に『たたらちょうこう』と呼称され、その華やかな出来に加えて、『最上大業物』にもその名を連ねる一人であるため、大変人気があります。
小板目詰んで乱れ映り立つ地鉄、互の目丁子乱れを主体とした刃文は、小互の目、小丁子、尖り風の刃を交えて、刃縁明るく締まっています。
決して豪壮な姿ではありませんが、多々良長幸らしい特色が顕著に示された逸品です。


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