短刀 武蔵大掾藤原忠廣
(むさしだいじょうふじわらのただひろ)


Katana:Taikei Naotane



新刀・肥前 江戸初期 最上作 最上大業物
第二十二回重要刀剣指定品
『肥前刀大鑑』所載品
探山先生鞘書き有り




刃長:27.4(九寸強) 反り:極僅か 元幅:2.96 元重ね:0.67 穴1



平造り、庵棟高い。 鍛え、小板目肌良く詰み、細かな流れ肌を交えて上品に肌立ち、地色明るく、地沸厚く付き、地景繁く入り、地鉄精良。 刃文、互の目乱れを主体に、小互の目、丁子風の刃、矢筈風の刃を交え、刃縁の沸匂い一際深く明るく冴え、刃中葉、小足入り、繊細な金筋、砂流し掛かり、地に多種の飛び焼き入り皆焼となる。 帽子、直調で沸匂い深く先小丸に返る。 茎生ぶ、先入山形、鑢切り。 金無垢二重台付きハバキ。 時代最上研磨。 白鞘入り。 ※指定書紛失のため、平成二十九年五月に証明書発行済み。


【コメント】
 初代肥前忠吉の重要刀剣短刀、同工中最も華やかな皆焼刃を焼いた晩年円熟期の傑作、『肥前刀大鑑』所載品です。
 初代忠吉は、橋本新左衛門と称し、元亀三年生まれ、若年の頃から佐賀藩主鍋島勝茂にその鍛刀技術を認められ、藩工に任じられました。慶長元年、二十五歳の時、藩命により、一門の専属彫り師宗長と共に京の埋忠明寿門下に入り、慶長三年に帰国すると、佐賀城下へ移り、藩の庇護の元、本格的な作刀が始まります。
 銘振りは、慶長十九年頃まで『肥前国忠吉』、以降元和末年頃まで『肥前国住人忠吉作』、寛永元年頃からは『武蔵大掾藤原忠廣』と切り、源姓から藤原姓へ改めています。寛永九年八月、六十一歳没。
 山城来一派を思わせる直刃と肥前小糠肌の美しさは新刀随一、新刀最上作、最上大業物鍛冶としても名高く、人気実力共に一門の最高峰鍛冶です。
 肥前正系である忠吉の名跡は、幕末明治期まで九代に渡り、初代門人として分家した傍系からは、土佐守忠吉、河内守正廣、出羽守行廣、播磨大掾忠国等々、多くの名工を輩出しました。 
 本作は昭和四十九年、第二十二回の重要刀剣指定品及び『肥前刀大鑑』所載品です。
 年紀はありませんが、初代の場合はその銘振り、特に『藤』の字体より、『寛永二年八月』頃の作であることが分かります。探山先生鞘書き及び『肥前刀大鑑』にも同様の解説があります。
 同工五十四歳の頃、晩年の集大成とも言える会心の一振りです。
 寸法九寸強、庵棟高く、身幅、重ねガシッとした力感溢れる短刀で、地刃すこぶる健全、初代の短刀は大変珍しく、勿論本誌初掲載です。
 小板目肌良く詰み、細かな流れ肌を交えて上品に肌立つ精良な小糠肌は、地色明るく、互の目乱れを主体とした焼き刃は、小互の目、丁子風の刃、矢筈風の刃を交え、刃縁の沸匂い一際深く明るく冴え、刃中葉、小足入り、繊細な金筋、砂流し掛かり、地に多種の飛び焼き入って烈しい皆焼状を呈しています。 
 探山先生鞘書きには、『同作中で皆焼刃の作域を示すものは本作ただ一口のみであり、その作域を把握する上での好資料であるのみならず、地刃共に抜群の冴え、出来もまた見事也。』とあり、『肥前刀大鑑』にも同様の解説があります。
 周知の通り、新刀重要は唯でさえ狭き門、その中でより見方が厳しい短刀で重要になっていることを考えれば、如何に状態が良いかご理解頂けるかと思います。
 古い登録証は昭和二十六年三月の東京登録、ズシンとくる重厚感たっぷりな金無垢二重台付きハバキが付いています。
 初代忠吉でこれ以上華やかな作はなく、且つ希少な短刀ですので、これを逃してはいけません。
 武蔵大掾忠廣時代の傑作、『肥前刀大鑑』所載の見事な新刀重要です。












【売約済】 商品番号:V-1864 短刀 武蔵大掾藤原忠廣  第二十二回重要刀剣指定品 『肥前刀大鑑』所載品 探山先生鞘書き有り

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