刀 無銘(伝福岡一文字助真)
(でんふくおかいちもんじすけざね)


Katana:Mumei(Den Fukuoka Ichimonji Sukezane)



古刀・備前 鎌倉中期 最上作 拵え付き
第六十回重要刀剣指定品
探山先生鞘書き有り




刃長:69.0(二寸二寸八分弱) 反り:2.3 元幅:3.20
先幅:2.18 元重ね:0.68 先重ね:0.50 穴2




鎬造り、鎬庵棟尋常、中切っ先やや猪首風に詰まる。 表裏棒樋を茎途中で掻き流す。鍛え、板目に杢目を交えて良く詰み、所々上品に肌立ち、地色明るく、地沸厚く付き、細かな地景入り、乱れ映り判然と立ち、地鉄精良。 刃文、丁子乱れを主体に、重花丁子、袋丁子、小互の目、小乱れを交え、刃縁匂い勝ちに小沸付いて明るく冴え、刃中丁子足、葉盛んに入り、繊細な金筋、砂流し掛かる。 帽子、直調で大丸風となり、先焼き詰め風となる。 茎大磨り上げ、先切り、鑢勝手下がり。 胴に金着せ二重ハバキ。 時代最上研磨。 白鞘入り。
上打ち刀拵え(現代作 全長96 柄長22 鞘 黒の呂鞘 返り角あり 小柄、赤銅魚子地金、裏哺金、二匹獅子図、笄、赤銅魚子地金紋獅子図、裏哺金 下げ緒、古代紫 柄 親鮫に黒柄巻き 縁頭、赤銅魚子地据紋象嵌色絵、牡丹の図 目貫、金無垢地容彫獅子図 鍔 赤銅研磨地無文、両櫃大透、金覆輪)付き。




【コメント】
 無銘(伝福岡一文字助真)の重要刀剣、鎌倉中期、同派最盛期の代表工による典型作優品、後に相州鎌倉へ移住して相州鍛冶の開拓者となり、『鎌倉一文字』と呼ばれた名工です。
 一文字派は、鎌倉初期に興り、以後南北朝期に掛けて福岡、吉岡、片山、岩戸の地に栄えて多数の名工を輩出しました。中でも福岡一文字は、最も歴史が古く、同派事実上の祖である則宗を始め、代表工には延房、宗吉、助宗、行国、助成、助延、信房などがいます。福岡でもこれら初期の刀工を、古一文字と呼び、それまでの古備前派の作風を踏襲した、直調に小丁子交じりの穏やかな作風を本位としました。
 鎌倉中期になると、同派は最盛期を迎え、それまで見られなかった華麗で絢爛たる丁子乱れの作風を創始、この期を以て、後世まで最高芸術と評される一文字丁子の完成を見ることとなります。この期の代表工には、助真、吉房、則房を筆頭に、吉平、吉用、吉元、助宗、助吉、吉包などがいます。
 また同派から後鳥羽院御番鍛冶を七名も輩出していることは、当時の一派の高い技量を如実に示しています。
 本作は平成二十六年、第六十回の重要刀剣指定品、『無銘(伝福岡一文字助真)』の極めが付された優品です。 
 助真は、前述のように福岡一文字の最高峰鍛冶、国宝二、重要文化財九、重要美術品八振りを数え、その活躍期は、鎌倉中期の建長(一二四九~五六)から文永(一二六四~七五)頃とされます。
 余りにも有名な伝承として、備前鍛冶でありながら、鎌倉幕府の命により、山城の粟田口国綱、同国の備前三郎国宗らと相州鎌倉へ移住、その技術を伝え、鎌倉鍛冶の開拓者となったことから、『鎌倉一文字』の呼称があります。
 また同工の最高傑作とされるのが、前述の国宝在銘太刀であり、元は加藤清正の所持、秀吉没後、徳川家康に献上され、以降家康はその太刀をこよなく愛し、死後には、その御霊が祀られた栃木の日光東照宮に納められたことから、『日光助真』と呼ばれ、『享保名物帳』にも記載されている名品中の名品です。
 その作風は、切っ先猪首風に詰まり、身幅広く、腰反り深い、鎌倉中期の豪壮な太刀姿に、焼き幅広く変化のある華やかな丁子刃を焼きますが、その丁子刃には匂い出来と沸出来の二様があり、鎌倉へ移る前後で、匂い出来から沸出来へ移行していったと考えられています。匂い出来の方を『備前打ち』、沸出来の方を『鎌倉打ち』と解釈する場合もあります。
 本作は寸法二寸二寸八分弱、切っ先やや猪首風に詰まり、身幅広く、元先の開き少なく、腰反り深い雄渾な姿を示しており、力感溢れる健全な一振りです。
 板目に杢目を交えて良く詰み、所々上品に肌立つ最上の備前地鉄は、地色明るく、乱れ映り立ち、細かな地景が入っています。
 丁子乱れを主体に、重花丁子、袋丁子、小互の目、小乱れを交えた焼き刃は、刃縁匂い勝ちに小沸付いて明るく冴え、刃中丁子足、葉盛んに入り、繊細な金筋、砂流しが掛かっています。
 スーッと鞘から抜いた瞬間の何とも言えない重量感、鉄質の良さ、地刃の明るさは、格別なものがあります。
   本刀の極めに付いて、この姿、出来、品格であれば、鎌倉中期の福岡一文字の範疇であることは間違いないと思われますが、『助真』の個銘まで極めたものは、これまでの重要指定品中、数える程しかありませんので、大変貴重です。
 図譜には『焼き刃に高低があって華やかに乱れ、刃沸が良く付き、金筋、砂流しが掛かるなど、同派中助真の特色が良く示されており、且つ地刃共に健全で出来が良い。』、探山先生鞘書きには、『匂い深く小沸出来の丁子乱れを主体に、袋丁子、重花丁子、飛び焼きを交えて変化に富み、力感みなぎる出来は、一類中助真の個性的特色が把握され、極めは妥当なる優品哉。』とあるように、本刀は、福岡一文字の中でも、特に『助真』と極めるべき特徴が顕現されていることが分かります。
 徳川家康遺愛の一振りである国宝『日光助真』作者であり、相州鍛冶の礎を築き『鎌倉一文字』と呼ばれた名工の典型作優品、日本刀のロマンが詰め込まれた不朽の名刀を逃す手はありません。素晴らしい福岡一文字助真の鎌倉太刀です。
















【売約済】商品番号:V-1881 刀 無銘(伝福岡一文字助真) 第六十回重要刀剣指定品 探山先生鞘書き有り 拵え付き

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