刀 (太刀銘)肥前国住陸奥守忠吉
(ひぜんのくにじゅうむつのかみただよし)


Katana:Hizennokuniju Mutsunokami Tadayoshi



新刀・肥前 江戸前期 最上大業物
第三十回重要刀剣指定品




刃長:71.4(二尺三寸六分弱) 反り:2.2 元幅:3.16
先幅:2.22 元重ね:0.80 先重ね:0.60 穴2(内1忍)




鎬造り、鎬高め庵棟低め、中切っ先。 鍛え、小板目肌良く詰み、地沸微塵に厚く付き、細かな地景繁く入り、地鉄精良。 刃文、直湾れ調で、物打ち付近は更に焼きが深くなり、刃縁小沸良く付いて匂い深く明るく冴え、刃中小足、葉入り、僅かに金筋掛かる。 帽子、直調で先小丸に返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢浅い勝手上がり。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代最上研磨。 白鞘入り。  



【コメント】
最上大業物、陸奥守忠吉の重要刀剣、最上の小糠肌に肥前直刃の会心作、凄まじい斬れ味を誇る三代陸奥です。
陸奥守忠吉は、橋本新三郎と称し、近江大掾忠廣の嫡男として、寛永十四年に生まれました。初代忠吉の後、忠吉を名乗っていた土佐守忠吉が没すると、忠吉銘が本家に返上されたため、父忠廣に代わって三代忠吉を襲名、万治三年十月に『陸奥大掾』、寛文元年八月に『陸奥守』を受領しましたが、父に先立つこと七年、貞享三年に五十歳で没しています。
初代同様、最上大業物にその名を連ねる三代の自身作が少ないのは、比較的短命であったこと、長寿であった父の協力者として、数多く鍛刀したことなどに起因していると考えられます。
作風は、肥前直刃が圧倒的に多く、乱れ刃は、互の目乱れ、足長丁子、逆丁子などが僅かに見られます。
鑢目は勝手上がり、茎尻は寛文五年頃までは入山形、以降は栗尻になります。
銘振りは、初期は刀が『陸奥大掾藤原忠吉』、脇差しが『陸奥大掾忠吉』と切り、『陸奥守』受領後、寛文二年八月までの僅かな期間に限って、刀、脇差し共に『陸奥守藤原忠吉』と切っています。それ以降は、刀はほぼ『肥前国住陸奥守忠吉』、脇差しは『肥前国陸奥守忠吉』ですが、脇差しには『陸奥守忠吉』、『忠吉』、『肥前国忠吉』が極僅かに見られます。
年紀作はほとんど見られませんが、上記の銘振り、茎仕立てなどによって大凡の区別が可能です。
本作は昭和五十八年(一九八三)、第三十回の重要刀剣指定品、年紀はありませんが、前述した銘振りなどからして、延宝末年頃、同工四十代半ばの作と鑑せられる典型作優品です。
寸法二尺三寸六分弱、反りやや深めに付いた勇壮な太刀風のスタイル、元先身幅しっかりとして、重ねも厚く、地刃すこぶる健全、刀がズシッと重いです。
地沸微塵に厚く付き、細かな地景繁く入った精良な肥前米糠肌、直湾れ調の焼き刃は、物打ち付近の焼き幅が更に広くなり、沸匂いが一際厚く付いて明るく冴え冴えとするなど、覇気に溢れた出来映えです。研ぎも良く、三代の真骨頂は直刃であることを確信させる逸品、昭和二十六年三月の古い登録証は東京登録です。
図譜にも、『この刀は堂々とした造り込みで、鍛えは米糠肌で地沸が良く付き、地鉄が冴えて強く、刃文は得意の直刃が明るく冴えるなど、全てに三代忠吉の力量を遺憾なく表した一口である。』とあります。
新刀重要は狭き門、故に合格した刀剣には欠点がありません。当然価格もグッと上がりますが、満足感が全く違います。
これぞ正に肥前刀の王道直刃、素晴らしい三代陸奥の新刀重要です。






















【売約済】商品番号:V-1986 刀 (太刀銘)肥前国住陸奥守忠吉 第三十回重要刀剣指定品

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