刀 御勝山麓住藤原永貞
(おかちさんろくじゅうふじわらのながさだ)
慶応元年八月於江府作之(一八六五)


Katana:Okachi Sanrokuju Fujiwarano Nagasada



新々刀・美濃(武蔵) 江戸最末期 拵え付き
第三十回重要刀剣指定品




刃長:75.1(二尺四寸八分弱) 反り:1.6 元幅:3.53
先幅:2.40 元重ね:0.78 先重ね:0.43 穴:1




鎬造り、鎬三つ棟尋常、中切っ先鋭角に延びる。 表は腰元に『八幡大菩薩』の文字を陰刻し、裏は護摩箸有り。 鍛え、小板目肌良く詰み、所々流れ心に細かに肌立ち、地沸微塵に厚く付き、細かな地景繁く入り、地鉄精良。 刃文、互の目乱れを主体とし、小互の目、尖り風の刃を交え、刃縁荒沸付き、匂い深く明るく締まり気味となり、刃中互の目足入り、金筋、砂流し烈しく掛かる。 帽子、湾れ込んで沸付き、先掃き掛け小丸風に返る。 茎生ぶ、鑢目化粧大筋違い、先栗尻。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代最上研磨。 白鞘入り。
打ち刀拵え(全長104 3.5 鞘 黒乾石目鞘 返り角あり 下げ緒茶 柄 親鮫に薄茶かけ 焦げ茶革柄巻 縁頭、金無垢地細毛彫線模様 目貫、金無垢地容彫、龍図 鍔 素銅地丸形、金地被せ、通し紋打ち出し 金覆輪 赤銅大菊刻み切羽)付き。  



【コメント】
御勝山永貞の重要刀剣、『江戸青山打ち』、烈しい沸出来の乱れ刃を焼いた豪壮な幕末刀、同工の代表作となる傑出の一振りです。
永貞は、松井治一郎と言い、文化六年(一八〇九)、松井直三郎の子として現在の岐阜県不破郡垂井町表佐(おさ)に生まれました。同工の師伝に付いては、はっきりと分かっていませんが、美濃赤坂千手院、又は美濃金重の末流とも伝わっています。
銘文にまま見られる『御勝山』とは、生地である表佐より北へ向かって程近い岐阜県大垣市赤坂町にある海抜53メートルの丘陵で、正式には岡山と言います。慶長五年(一六〇〇)、関ヶ原の合戦で東軍の総大将徳川家康の本陣が構えられた場所で、天下分け目の大合戦に勝利を得た徳川ゆかりの地を記念して、『御勝山』の名を与えられたと云います。
同工は地元以外でも鍛刀しており、万延元年(一八六〇)頃には伊勢国田丸、文久三年(一八六三)頃からは江戸青山、一時紀州徳川家の御用鍛冶として紀伊、晩年は京都で公卿、勤皇家のために鍛刀しています。明治二年、六十一歳で没。
作風は、身幅しっかりとした長寸の作が多く、互の目乱れを主体とした沸出来の刃文は、一見清麿一門を思わせるものがあります。また新選組隊士河合耆三郎(きさぶろう)の愛刀としても有名です。
本作は昭和五十八年(一九八三)、第三十回の重要刀剣、寸法二尺四寸八分弱、切っ先鋭角に延び、身幅、重ねガシッとした幕末刀、地刃すこぶる健全な堂々たる一振りです。
慶応元年は同工五十七歳の頃、銘文にも『於江府作之』とあるように、『江戸青山打ち』の貴重な一振りです。
小板目肌良く詰んだ精良な地鉄は、地沸微塵に厚く付いて細かな地景が良く働き、互の目乱れを主体とし、小互の目、尖り風の刃を交えた焼き刃は、刃縁荒沸付き、匂い深く明るく締まり気味となり、刃中互の目足入り、金筋、砂流しが烈しく掛かっています。表は腰元に『八幡大菩薩』の文字を陰刻し、裏は護摩箸の彫りがあります。
図譜にも、『この刀は、豪壮な造り込みに加えて、一見清麿一門に見紛う程の出来を示している。彼の代表作と称すべき一口である。』とあるように、新々刀重要ですので、ズシンと重く迫力満点です。
御勝山永貞の晩年円熟期に於ける会心の一振り、且つ勝運を招く縁起の良い一振りとして、お守り刀としても強くお薦めする名品です。


















【売約済】商品番号:V-1992 刀 御勝山麓住藤原永貞 慶応元年八月於江府作之(一八六五) 第三十回重要刀剣指定品 拵え付き

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