刀 大和美和山狭井河之辺月山貞利謹彫同作
(金象嵌花押)
(やまとみわやまさいがわのほとり
がっさんさだとしつつしむほりどうさく)
平成十九年二月吉祥日(二〇〇七)


Katana:Yamato Miwayama Saigawa Gassan Sadatoshi



現代・奈良
無鑑査刀匠
自筆鞘書き有り
平成十九年度『新作名刀展』無鑑査出品作




刃長:75.1(二尺四寸八分弱) 反り:2.8 元幅:3.27
先幅:2.49 元重ね:0.74 先重ね:0.61 穴1




鎬造り、鎬尋常庵棟低い、中切っ先鋭角に延びる。 表は棒樋の下に三鈷柄附き剣掴み下り龍、裏棒樋をハバキ上で丸留めにし、樋中宝珠と瑞雲を浮き彫りにする。 鍛え、板目に杢目を交えて良く詰み、地沸厚く付き、地景繁く入り、地鉄精良。 刃文、湾れ乱れ調で、刃縁良く沸付き、ほつれ、二重刃、打ちのけ掛かり、刃中金筋、砂流し頻りに掛かる。 帽子、湾れ調で沸付き、先強く掃き掛け返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢化粧大筋違い。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。 


【コメント】
今人間国宝に最も近い刀匠、無鑑査月山貞利の覇気溢れる相州伝の自信作、見事な月山彫りによる珠掴み昇り龍、草の倶利伽羅、平成十九年度『新作名刀展』無鑑査出品作です。
貞利は月山清と言い、昭和二十一年、人間国宝月山貞一の三男として大阪に生まれました。父に学び、昭和五十年に新作刀展で高松宮賞を受賞して以来、文化庁長官賞、毎日新聞社賞、名誉会長賞、寒山賞などを複数回受賞、昭和五十七年には無鑑査に認定、平成七年、父貞一没後は月山家の棟梁となり、平成十五年には奈良県指定無形文化財保持者に認定されました。伊勢神宮式年遷宮奉納太刀を始めとする数々の奉納刀、米国ボストン美術館での刀剣展、月山記念館開設等々、八百年続く名門の棟梁として、一派の繁栄及び刀剣界の発展に尽力し続ける名匠です。 本作は平成十九年、同工六十一歳の頃の作、彫り同作、金象嵌花押の入った同工会心作です。
銘文に『大和美和山狭井河之辺』とあるのは、『月山日本刀鍛錬道場』を指しています。美和山(みわやま)は、地元奈良県桜井市にある三輪山の古称、狭井(さい)川は、道場から目と鼻の先にある狭井神社近くを流れる小川です。
寸法二尺四寸八分弱、切っ先鋭角に延びて反り深い、堂々たる太刀姿を示しています。
湾れ乱れ調の焼き刃は、刃縁にほつれ、二重刃、打ちのけがうねるように掛かり、所々烈しく掃き掛け、刃中金筋、砂流し頻りに掛かる出来で、帽子も強く沸付き、二重刃、三重刃風に烈しく掃き掛け返るなど、南北朝盛期の相州伝、刃調からして貞宗辺りを狙った会心の一振りです。
特筆すべきは月山彫り、表は棒樋の下に三鈷柄附き剣掴み下り龍、裏棒樋をハバキ上で丸留めにし、樋中宝珠と瑞雲を浮き彫りにしています。表の彫りの意匠は  越前記内彫りに範を取ったもので、越前康継、長曽祢虎徹、水心子正秀、高橋貞次等にも同様の意匠があります。龍は輪郭を深く掘り下げてから浮き彫りにする、いわゆる肉合い(ししあい)彫りで表現していますが、同工の場合、この掘り出しが特に深いため、龍が地面下から浮き上がってくるかのような迫力があり、これが月山彫りの真骨頂とも言えます。更に龍の胴体に高低や丸みを持たせることでより立体感を強調するなど、彫りの細部に渡って、同工の類い希なる彫技が存分に示されています。
前述したように、本作は平成十九年度『新作名刀展』の無鑑査出品作、同工は無鑑査ですので、展覧会各賞の受賞審査対象外となっており、主催者側の審査、鑑査なしで出品が可能ですが、例年無鑑査刀匠は、その年の最高傑作と言える作を出品してきます。本作が正にそれに該当します。
ここ二十五年以上認定者不在の人間国宝、その最右翼の一人とされる月山貞利渾身の一振り、これは確実に押さえるべき逸品です。
















【売約済】商品番号:V-2011 刀 大和美和山狭井河之辺月山貞利謹彫同作(金象嵌花押) 平成十九年二月吉祥日(二〇〇七) 無鑑査刀匠 自筆鞘書き有り 平成十九年度『新作名刀展』無鑑査出品作

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