刀 肥前国住藤原忠廣(初代忠吉晩年の献上銘)
(ひぜんこくじゅうふじわらただひろ)
寛永八年二月吉日(一六三一)
切物藤原吉長


Katana:Hizennokuniju Fujiwara Tadahiro



新刀・肥前 江戸初期 最上作 最上大業物
拵え付き(鐔に特別保存、目貫と柄前に保存刀装具鑑定付き)
第四十七回重要刀剣指定品

『肥前刀大鑑』及び『刀剣日本 第二集』所載品
専用桐箱付き




刃長:69.6(二尺三寸弱) 反り:1.5 元幅:3.13
先幅:2.07 元重ね:0.64 先重ね:0.42 穴1




鎬造り、鎬尋常庵棟低め、中切っ先。 佩表は梵字に護摩箸をハバキ下で掻き流し、裏は草の倶利伽羅有り。 鍛え、小板目肌良く詰み、所々細かに肌立ち、地沸厚く付き、地景入り、地鉄精良。 刃文、直湾れ調で、刃縁良く沸付いて匂い深く明るく冴え、所々二重刃風の湯走り掛かり、刃中小足、葉入り、金筋、砂流し掛かる。 帽子、直調で沸付き、先掃き掛けて小丸風に返る。 茎生ぶ、先剣形、鑢切り。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代最上研磨。 白鞘入り。
最上打ち刀拵え(江戸後期 全長98.5 柄長22 鞘 黒の呂鞘 茶と鉄紺の中藤下げ緒 小柄笄欠 柄 白鮫着 薄茶金色蛇腹糸組上菱巻 縁頭、赤銅魚子地、高彫金色絵、小縁金色絵、桐紋散図 目貫、金無垢容彫、桐鳳凰図 鍔 赤銅魚子地、高彫金色絵 高彫金色絵耳 両櫃孔)付き。  



【コメント】
最上作にして最上大業物、初代肥前忠吉の重要刀剣、同工最晩年の『献上銘』と呼ばれる入念作、加えて貴重な吉長彫りのある『肥前刀大鑑』及び『刀剣日本 第二集』所載品です。
初代忠吉は、橋本新左衛門と称し、元亀三年生まれ、若年の頃から佐賀藩主鍋島勝茂にその鍛刀技術を認められ、藩工に任じられました。慶長元年、二十五歳の時に、藩命により、一門の専属彫り師宗長と共に京の埋忠明寿門下に入り、慶長三年に帰国すると、佐賀城下へ移り、藩の庇護の元、本格的な作刀が始まります。
銘振りは、慶長十九年頃まで『肥前国忠吉』、以降元和末年頃まで『肥前国住人忠吉作』、寛永元年頃からは『武蔵大掾藤原忠廣』と切り、源姓から藤原姓へ改めています。寛永九年八月、六十一歳没。
本作は平成十三年(二〇〇一)、第四十七回の重要刀剣指定品、寛永八年、同工六十歳の頃の作、最晩年の集大成とも言える一振りで、専属彫り師吉長の典型彫りのある大変稀少な逸品です。
寸法二尺三寸弱、刀姿美しく、地刃すこぶる健全、銘に『武蔵大掾』を冠さない、いわゆる献上銘忠廣です。
これは藩主鍋島家から出された注文書に従って作られた特注品であり、公儀への献上品のみならず、諸大名への贈答品等としても作られました。
注文書には、『銘を切る際は、武蔵大掾を除して切ること。』の他、寸法、姿、出来等に付いて事細かな指定があります。
忠廣の献上銘は、本作の如く必ず大振りで太鏨のものに限られます。また献上銘の作は、その性格上、優れた出来でなければならず、『献上銘に駄作なし』の定評があります。
小板目肌良く詰んだ精良な小糠肌、直湾れ調の刃文は、刃縁明るく冴え、湯走りが二重刃風に掛かり、刃中金筋、砂流し掛かるなど、同工晩年の一作風を良く示しています。
特筆すべきは彫り物、草の倶利伽羅、梵字、護摩箸がありますが、前述したように専属彫り師吉長の手による大変貴重な彫り物です。
肥前刀には、稀に不動明王、倶利伽羅、龍、梵字などの見事な彫り物が見られますが、これらの大半は宗長、吉長、忠長ら、専属の彫り師によるものであり、中でも本作のように、『切物藤原吉長』などと添えた作は特に貴重で付加価値も高まります。
吉長は宗長の弟子、初期は師風を継承しながらも、晩年はオリジナルの作風を確立した名工で、宗長よりも多彩と言えるでしょう。
宗長彫りは初代忠吉のみに限られますが、吉長彫りは、武蔵大掾忠廣の寛永七年八月年紀(一六三〇)のものから始まり、近江大掾忠廣、河内大掾正廣、伊予掾宗次等々に見られ、最後は寛文元年(一六六一)頃までありますが、現存数は僅少です。
吉長が得意としたのは倶利伽羅、特に本作に見られる草の倶利伽羅は、専属彫り師の中でも吉長が最も多く残しています。
前述したように、初代の吉長彫りは、最晩年の僅かな期間にしか見られないため、まずお目に掛かりません。この年紀が全ての裏付けになりますので、あるとないとでは大きな違いです。
本作は同工最晩年の代表作として『肥前刀大鑑』所載ですが、更に吉長彫りの代表作としても別ページに掲載されています。これにより如何に貴重であるかが分かります。加えて『刀剣日本 第二集』所載品です。
図譜には、『この刀は、初代忠廣のいわゆる献上銘の作であり、忠廣時代に彼が最も得意とした直刃仕立ての作域を示して出来が良い。更に吉長の彫物も彫技が巧緻で鏨が利いて見事であり、刀身に良く収まって調和が取れており、刀身を一段と引き立てている。吉長彫りを研究する上で資料的にも貴重である。』とあります。
付属の外装も江戸期の特上品、金具類は、鐔は吉岡(無銘)(特別保存)の桐紋繋ぎ、 目貫は徳乗(無銘)(保存)の桐鳳凰図、柄前としても保存刀装具鑑定が付くなど、外装のみでもかなりの金額に相当します。
最上作にして最上大業物、初代忠吉晩年の集大成とも言える献上銘の会心作、色んな付加価値の付いた唯一無二の名品、おそらくこれを逃すと次はありません。






















【売約済】商品番号:V-2025 刀 肥前国住藤原忠廣(初代忠吉晩年の献上銘) 寛永八年二月吉日(一六三一) 切物藤原吉長 第四十七回重要刀剣指定品 探山先生鞘書き有り 拵え付き 『肥前刀大鑑』『刀剣日本 第二集』所載品 専用桐箱付

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