大太刀 生ぶ無銘(宝寿後代)
(ほうじゅこうだい)


Ohtachi:Mumei(Hoju Kodai)



古刀・陸奥 室町期  古鞘(古ハバキ付き)有り
保存刀剣鑑定書付き




刃長:128.6(四尺二寸四分強) 反り:2.7 元幅:3.85
先幅:2.70 元重ね:1.13 先重ね:0.60 穴1




鎬造り、鎬高め庵棟低い、切っ先やや鋭角に延びる。 表裏共に棒樋をハバキ上で角留める。 鍛え、小板目に板目、杢目、流れ肌を交えて肌立ち、地色やや黒み勝ちで、白け心あり、地沸良く付き、地景入り、地鉄良好。 刃文、湾れ乱れ調で、刃縁匂い勝ちに小沸付いて沈み勝ちとなり、刃中所々金筋、砂流し掛かる。 帽子、直刃調で先焼き詰め風。 茎生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢不明。 銅に金着せハバキ。 時代研磨(くもり、小サビ有り)。 白鞘入り。


【コメント】
全長で五尺六寸を超える長大な生ぶ無銘(宝寿後代)の太刀、古鞘によると、『源平合戦』、『源義経』、『武蔵坊弁慶』の時代より受け継がれたとも伝わるロマン溢れる一振りです。
本作は生ぶ無銘ながら、『宝寿後代』と極められた一振り、『(附)鉄鎺(ハバキ)』と鑑定書にも記載があるように、古鞘と共に古い鉄ハバキも付属しています。このハバキは、おそらく刀身と同じ鉄で作られたものと鑑せられます。
宝寿一派は、奥州平泉の軍備を担った鍛冶集団で、現在の宮城県大崎市付近で鍛刀したと伝わり、蝦夷地の豪族の抱え鍛冶としても活躍しました。またその縁起の良い名前から、江戸時代には、武家の間で祝儀贈答用として大変重宝されました。
作風は、大板目に綾杉肌風の流れ肌、白け映り立つ地鉄、刃縁潤み勝ちな直調、小乱れ調の刃等々、奥州鍛冶に共通した出来が多く見られ、年紀作としては、南北朝初期建武(一三三四~三六)から室町初期応永(一三九四~一四二八)期のものが残されています。
本作は寸法四尺二寸四分強、茎だけで一尺三寸五分強ありますので、全長では五尺六寸を超える長大な太刀、本誌でここまでの長尺刀を掲載したことはありません。勿論一人での抜き差しは不可能、複数人で丁重に取り扱う必要があります。
小板目に板目、杢目、流れ肌を交えて肌立つ地鉄は、地色やや黒み勝ちで、白け心があり、地景が良く入っています。焼き刃も刃縁沈み勝ちで、刃中所々金筋、砂流し掛かるなど、地刃に少し鍛え肌もありますが、古作奥州物の伝統を墨守した真面目な作です。
古鞘には鷲尾家に伝来した旨の鞘書きがあり、『高祖(遠い先祖)である鷲尾三郎は、源義経に召し出されて郎党(家来、家臣)となる。治承八年(=寿永三年)(一一八四)二月七日、一ノ谷の戦いの功績により、義経より義久の名を賜り、弁慶からはこの太刀を譲り受ける。以後義久は義経の郎党となる。文治五年閏四月三十日、奥州衣川館(ころもがわのたて)にて義経、弁慶と共に戦死。源平合戦以来、鷲尾家重代の宝刀となる。』といった内容が記されています。
鷲尾三郎義久は、平安時代末期の武士、元々は播磨山中の猟師とも伝わります。義経軍が播磨山中を進軍するに当たって、道案内役として弁慶に抜擢されたのが義経との出会いになります。『平家物語』によれば、義久は『源平合戦』の最終局面、『一ノ谷の戦い』の場面に登場し活躍、この戦いで平氏は多くの有能な武将を失い、結果、滅亡に至りました。これはあくまでロマン溢れる伝説としてご理解下さい。ただ鷲尾家にはそのような伝来で永らく受け継がれてきたものと思われます。
また弁慶と言えば、『岩融(いわとおし)』と呼ばれた大薙刀が有名、三条宗近作で、刃長だけで三尺五寸と云います。ただ『義経記』によると、『岩融』は薙刀ではなく、『四尺二寸有りける太刀』との記載がありますので、正に本作のような太刀であった可能性もあります。
何はともあれ、もの凄い大太刀、これだけのものを破綻なく鍛え上げることは 並大抵ではありません。他を探そうにも見付かりません。近年稀に見る大珍品です。














【売約済】商品番号:V-2026 大太刀 生ぶ無銘(宝寿後代) 保存刀剣鑑定書付き 古鞘(古ハバキ付き)有り

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