刀 無銘(伝則重)
(でんのりしげ)


Katana:Mumei(Den Norishige)



古刀・越中 鎌倉最末期 最上作
第六十八回重要刀剣指定品(令和四年)(二〇二二)
探山先生鞘書き有り




刃長:62.3(二尺六分弱) 反り:2.1 元幅:2.95
先幅:2.18 元重ね:0.75 先重ね:0.62 穴4




鎬造り、鎬高め庵棟低い、中切っ先僅かに延び心となる。 表裏共に棒樋を掻き流す。 鍛え、板目に杢目、流れ肌を交え、差し裏は特に大模様に肌立ち、地色にやや黒みがあり、地沸厚く付き、地景繁く入り、地鉄精良。 刃文、直湾れ調で小互の目、小乱れを交え、刃中表は葉、小足頻りに入り、裏は間断なく金筋、砂流し烈しく掛かる。 帽子、表は直調で先小丸風に返り、裏は良く沸付き、先沸崩れて返る。 茎大磨り上げ、先切り、鑢切り。 銅に金着せハバキ。 時代最上研磨。 白鞘入り。  



【コメント】
越中則重の重要刀剣、『正宗十哲』、鎌倉最末期の雄渾な太刀姿、顕著な『松皮肌』、刃中千変万化の沸の働きを示した傑作です。
則重は、五郎次郎と称し、佐伯姓を名乗り、鎌倉末期、越中国婦負郡(ねいぐん)呉服(現富山市五福付近)にて鍛刀したと伝わることから、呉服郷則重とも呼ばれます。古来より『正宗十哲(現在では正宗、則重両名とも新藤五国光門人とされる)』にもその名を連ねる名工中の名工です。
在銘太刀は極々僅か、短刀の多い刀工でもあり、『日本一則重』の号で呼ばれる国宝の短刀一口を始め、重要文化財八口、重要美術品十一口の指定品がありますが、その六割が短刀です。
作風は、正宗に近似しますが、沸の変化に於いては、正宗以上に示したものが多く、特に太い地景交じりの大板目肌が、渦巻き状に肌立つ鍛えは『松皮肌』と称され、同工の代名詞にもなっています。これらの鍛えが刃縁、刃中に絡んで様々な働きを見せるのも大きな特色です。
数少ない年紀作に見る活躍期は、延慶(一三〇八~一一)から正中(一三二四~二六)頃までとなっています。
本作は、令和四年(二〇二二)、第六十八回重要刀剣指定品、大磨り上げ無銘ながら『伝則重』の極めが付された優品です。
切っ先僅かに延び心で、腰反り深く、元先身幅の差が少ない力強い姿は、鎌倉最末期の太刀スタイルが良く示されています。
板目に杢目、流れ肌を交えた精良な地鉄は、地色にやや黒みがあり、差し裏は特に大模様に肌立ち、渦巻き状の松皮肌を呈しています。
直湾れ調で小互の目、小乱れを交えた刃文は、刃中表は葉、小足頻りに入り、裏は間断なく金筋、砂流し烈しく掛かるなど、特に差し裏の地刃は、正に則重という感じの素晴らしい沸の働きが顕著に示されており、地刃健全で研ぎも素晴らしいです。
図譜には、『この刀は、切っ先延び心、元先身幅しっかりとした南北朝期の体配を予感させるような姿で、則重の見所とされる松皮肌は差し裏に顕著で、それに呼応するかのように刃中金筋、砂流しが頻りに掛かり、平肉が豊かで重ねも厚めとなるなど、健全さを有した極めの首肯される一口である。』とあり、探山先生鞘書きには、『正に古伯耆を参酌(さんしゃく=他のものを参考にして良い所を取り入れること)した感の刃を焼き、地刃に沸の自在な変化を露わにするなど、同工の特色が明らかな優品也。』とあります。
ハバキのやや上、棟から地に掛けて残された生々しい二ヶ所の受け疵が、幾多の戦乱を潜り抜けた強靱な地刃であることを物語っています。
正宗を上回る鉄鍛えの名人越中則重、千変万化と評される、同工特有の沸の働きを存分にお楽しみ頂ける素晴らしい一振りです。













【売約済】商品番号:V-2059 刀 無銘(伝則重)  第六十八回重要刀剣指定品(令和四年)(二〇二二) 探山先生鞘書き有り

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