刀 (金象嵌銘)政光(長船)
(まさみつ)
本阿(花押)(第十八代本阿弥光鑑)
Katana:Masamitsu
古刀・備前 南北朝後期
第二十一回重要刀剣指定品(昭和四十八年)(一九七三)
探山先生鞘書き有り

刃長:76.3(二尺五寸二分弱) 反り:2.0 元幅:3.18
先幅:1.83 元重ね:0.72 先重ね:0.46 穴2
【コメント】
長船政光の重要刀剣、第十八代本阿弥光鑑による金象嵌極め、典型的な備前彫り、兼光高弟による南北朝太刀です。
政光は、南北朝期に於ける備前長船派の刀工で、兼光門人に当たり、現存する年紀作に見る活躍期は、南北朝中期の延文(一三五六~六一年)から室町初期の応永(一三九四~一四二八年)初年頃までです。
作風は、同門の倫光、基光らと同様に兼光風を踏襲しており、湾れ、互の目、直刃調など多様ですが、総じて刃文が小模様になる点が見所です。
本作は、昭和四十八年(一九七三)、第二十一回の重要刀剣指定品、第十八代本阿弥光鑑の金象嵌銘による極めが付された典型作優品です。
光鑑は、江戸末期の鑑定家、第十七代光一の次男で、亀三郎、三郎兵衛と称しました。初め、分家筋である光隆の養子となったが、兄又三郎の早世で復帰、十八代目を継承。折紙は、文政八年(一八二五)~嘉永七年(一八五四)まで。
寸法二尺五寸二分弱、腰反り高く踏ん張りのある勇壮な太刀姿で、茎は、探山先生鞘書きにもあるように下が生ぶ穴、僅かに磨り上がっていますが、姿としてはほぼ生ぶです。
板目に杢目、流れ肌を交えて良く練られた地鉄は、乱れ映り、直映り立ち、小互の目乱れを主体に、湾れ、角張った刃、尖り風の刃、丁子風の刃を交えた刃は、刃縁明るく締まり、刃中僅かに金筋、砂流しが掛かっています。
兼光に比して乱れがやや小模様で多種の刃が交じるなど、政光らしい見所が良く示されています。
表裏腰元の生ぶ彫りですが、倶利伽羅は、『孕(はら)み龍』とも呼ばれる、備前彫りの典型的な意匠です。
孕み龍とは、鎌倉期から南北朝期に多く用いられた意匠で、剣巻き龍の腹が、風を受ける帆の如く膨れていることに由来しており、『行の倶利伽羅』とも呼びます。長船長光以降の伝統的な彫りで、景光、兼光の太刀、短刀にもまま見られます。最も有名なのが、景光の最高傑作、国宝『小龍景光』の佩表腰元から茎に掛けての樋内に残されている彫りでしょう。
探山先生鞘書きには、『本作は、地刃の出来、乱れ映り、直映り、帽子など、兼光一門中、南北朝後期の同工の特色が把握され、所伝は妥当で、健やかな優品也。彫りも伝統的也。』とあります。
昭和二十六年三月の古い登録証は、神奈川登録、ズシッと重い、大変立派な金無垢二重ハバキが付いています。
長寸で、ほぼ生ぶ姿、大変魅力的な南北朝期の備前太刀、これは見過ごせない政光です。








お買いものガイド























