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刀 無銘(伝則重)
(でんのりしげ)
Katana:Mumei(Den Norishige)
古刀・越中 鎌倉最末期 最上作
第十九回重要刀剣指定品(昭和四十五年)(一九七〇)
寒山及び探山先生鞘書き有り

刃長:69.4(二尺二寸九分) 反り:2.0 元幅:3.13
先幅:2.24 元重ね:0.73 先重ね:0.52 穴2(内1埋)
【コメント】
越中則重の重要刀剣、『正宗十哲』、身幅、重ねしっかりとした雄渾な姿、うねる『松皮肌』、地刃共に多彩で烈しい沸の変化を示した優品です。
則重は、五郎次郎と称し、佐伯姓を名乗り、鎌倉末期、越中国婦負郡(ねいぐん)呉服(現富山市五福付近)にて鍛刀したと伝わることから、呉服郷則重とも呼ばれます。古来より『正宗十哲(現在では正宗、則重両名とも新藤五国光門人とされる)』にもその名を連ねる名工中の名工です。
在銘太刀は極々僅か、短刀の多い刀工でもあり、『日本一則重』の号で呼ばれる国宝の短刀一口を始め、重要文化財八口、重要美術品十一口の指定品がありますが、その六割が短刀です。
作風は、正宗に近似しますが、沸の変化に於いては、正宗以上に示したものが多く、特に太い地景交じりの大板目肌が、渦巻き状に肌立つ鍛えは『松皮肌』と称され、同工の代名詞にもなっています。これらの鍛えが刃縁、刃中に絡んで様々な働きを見せるのも大きな特色です。
数少ない年紀作に見る活躍期は、延慶(一三〇八~一一)から正中(一三二四~二六)頃までとなっています。
本作は、昭和四十五年(一九七〇)、第十九回重要刀剣指定品、大磨り上げ無銘ながら、『伝則重』の極めが付された一振りです。
寸法二尺二寸九分、反り深く、元先身幅、重ねしっかりとした勇壮な造り込みで、表裏共に幅広の棒樋を掻き通していますが、それでもなお、刀がズシッと重いです。
小板目に板目、杢目交じりの地鉄は、所々大模様の渦巻き状となるなど、典型的な『松皮肌』を示しており、湾れ乱れ調の刃取りで互の目、小互の目を交えた刃は、刃縁良く沸付き、二重刃風の沸筋良く掛かり、刃中葉、小足、互の目足入り、金筋、砂流し烈しく掛かるなど、覇気溢れる出来映えです。
探山先生鞘書きには、『幅広の剛健なる形態を呈し、地刃の出来は、正に古伯耆を参酌(さんしゃく=他のものを参考にして良い所を取り入れること)し、一層沸を強調したる感が窺われ、同工の所伝は妥当なる優品也。』
地刃に少し鍛え肌等もありますが、鎌倉末期を下らない作ながら、この重量感、力感溢れる刀姿、沸の妙味をふんだんに詰め込んだ地刃の出来等々、千変万化と評される同工特有の沸の働きは、師正宗を上回るものがあります。これは魅力的な則重です。




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