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短刀 備前国住長船与三左衛門尉祐定
(びぜんのくにじゅうおさふねよさざえもんのじょうすけさだ)
享禄二年二月吉日(一五二九)
Katana:Bizennokuniju Osafune Yosazaemonnojo Sukesada
古刀・備前 室町末期
最上作 大業物 拵え付き
第十五回重要刀剣指定品(昭和四十二年)(一九六八)
専用黒塗桐箱付き

刃長:21.1(七寸弱) 反り:内反り 元幅:2.13 元重ね:0.74 穴1
合口拵え(全長38 昭和三十七年作 鞘 朱の呂塗鞘 返り角、栗型、瓦金、鯉口部分は黒塗り つなぎに本阿弥光博の添え書き有り 下げ緒、古代紫 小柄、無銘、赤銅魚子地高彫、三つ葵紋図 柄 親鮫有出し鮫柄 縁頭部分は角の黒塗り 壺笠目貫、赤銅魚子地三つ葵紋図 目釘、銀地色絵)付き。
【コメント】
長船与三左衛門尉祐定の重要刀剣短刀、同工の秀抜な技量が存分に示された優品、昭和の大実業家で愛刀家、田口儀之助氏の愛蔵品とも伝わる名短刀です。
与三左衛門尉祐定は、彦兵衛尉祐定の子で、応仁元年(一四六七)生まれ、年紀作に見る活躍期は、文亀(一五〇一~〇四)から天文十年(一五四一)頃まで、翌十一年、七十六歳で没と伝わります。
作風、年代を問わず出来優れるのが与三左衛門尉であり、それが『末備前鍛冶の最高峰』と呼ばれる所以です。
本作は、昭和四十二年(一九六七)、第十五回の重要刀剣指定品、大永三年(一五二三)は、同工六十三歳の頃、最良期の名品です。
寸法七寸弱、僅かに内反りで、身幅の割に重ねが厚いなど、室町末期に於ける末備前短刀の典型的なスタイルを示しています。
小板目に小杢目を交えて良く詰んだ精良な地鉄は、所々流れて肌立ち、地色やや黒み勝ち、地沸微塵に厚く付き、地景繁く入り、広直刃調の刃は、刃縁匂い勝ちに小沸付いてやや沈み心に締まり、刃中葉、小足入り、繊細な金筋掛かるなど、大変良く出来ています。
一見、新々刀かと思う程健全、状態も万全で茎もピシッとしており、銘も鮮明です。図譜にも、『末備前中の代表工である与三左衛門尉祐定得意の短刀であり、作は良い。』とあります。
末備前短刀の重要刀剣は僅少、加えて与三左衛門尉祐定銘ともなれば、中々お目に掛かりません。勿論、本誌初掲載です。
また前所有者によると、本刀は、昭和の大実業家で愛刀家、大阪の田口儀之助氏(一九〇一~六九)の愛蔵品であったと云います。同氏は、岡山の岡野多郎松氏などと並ぶ大変有名なコレクターです。
付属の外装は、朱の呂塗り鞘、金具は赤銅魚子地、立派な親鮫の入った上質で雰囲気のある逸品です。そのつなぎには、この外装が昭和三十七年十二月に完成し、その際に、本阿弥光博先生が本刀を鑑定した旨が記されています。更に金無垢二重の台附きハバキ付属、ズシンと重く、重厚感たっぷりです。
かの有名な刀剣コレクターの愛蔵品、付属品も超一級品、末備前鍛冶コレクションには絶対欠かせない一振り、素晴らしい与三左衛門尉祐定の重要短刀です。





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